都構想、費用抑制で維公一致 制度設計が加速か

2019/10/24 14:49
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「大阪都構想」の制度設計を議論する法定協議会(法定協)が24日開かれた。特別区への移行に伴う庁舎整備費などについて、大阪維新の会側が最大で314億円削減する案を示し、コスト抑制を求めてきた公明党は評価する姿勢を示した。維新と公明が最大の論点だったコスト抑制で歩み寄ったことで、制度案作りや住民投票実施に向けた議論が加速しそうだ。

法定協議会に出席した松井大阪市長(右列奥)と吉村大阪府知事(左列奥)ら(24日、大阪市役所)

■12項目の論点を提示

法定協会長で維新の今井豊府議は、優先的に取り上げる12項目の論点と今後のスケジュールを示した。この日の議題は特別区の設置コストなど。府・市側が▽新庁舎を建設せず、現在の大阪市役所本庁舎を複数の特別区で共有することで初期費用を314億円削減する▽新庁舎を建設するものの、執務スペースの面積を見直し92億円削減する――などの案を説明した。

維新府議は「住民負担を300億円削減するのは意義深いことだ」と市役所活用案を主張。公明市議は「現行案よりコストが削減されたことは評価したい」と応じた。今井氏は、市役所活用案を軸に議論する考えを示した。

都構想に反対していた公明は、4月の大阪府知事・市長のダブル選で維新が圧勝したことを受けて賛成に転じ、4項目を合意の条件としていた。

特に公明が最もこだわっていたのは、コスト抑制だ。かつて「特別区移行に伴い15年間で約1500億円かかる」などと都構想を批判していた経緯がある。

「コストは投資」だとしてこれまで譲らなかった維新側が庁舎コスト削減案を示したのは、公明の協力を得て早期に制度設計をまとめたいとの狙いのほか、市民のコストへの不安を払拭し都構想への支持を広げる戦略もあるとみられる。

公明が求めた4項目のうち、住民サービスの維持、全特別区への児童相談所の設置などコスト抑制以外の論点について、維新は「(公明と)方向性は一致している」(維新代表の松井一郎大阪市長)とみている。

■自民「議論前提ない」

一方、都構想に「是々非々」の立場で臨む自民党の市議は「庁舎コストだけではなく、システム改修や職員増加など、合わせていくら増えるのか、議論の前提が示されていない」などと批判。共産党市議は「合同庁舎となれば独立した自治体と言えない」と都構想そのものに改めて反対した。

この日は区割りや区の名称なども議題となった。維新は、現在の東淀川区や西淀川区などでつくる「東西区」を「淀川区」に、阿倍野区や天王寺区などでつくる「南区」を「天王寺区」に変更するよう提案した。

特別区の本庁舎の設置場所について、維新は現在の中央区役所を新・中央区の本庁舎に、天王寺区役所を新・天王寺区の本庁舎にするよう求めた。いずれも公明が同意し、維新案をもとに協定書案を作成することになった。法定協メンバー全20人のうち、維新と公明が大半を占めており、制度案の議論は事実上、維新と公明の両党が主導権を握る。

11月以降は、府と特別区の事務分担や財源配分、特別区の職員数、児童相談所の設置などを話し合う。年内に制度案の大枠を固め、2020年1月に国との事前協議を開始。2~4月には委員が各区役所などで住民らの意見を聞く「出前協議会」を開く。4~6月に協定書案をまとめ、秋~冬に住民投票を実施するとしている。

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