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柔和なダブルにガウン風 サラリと羽織れる上品コート

コート百科(中)

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街中でコート姿のビジネスマンを見かける機会が増えてきた。タイプ別の特色などを3回シリーズでお伝えしている「コート百科」。TPOにふさわしい着こなしができる達人になれるよう、前回に続き、特徴などをしっかりと抑えていこう。

[ Chesterfield Type ]
■LATORRE /ラトーレビッグシルエットコート

ゆったりしたシルエットながら巧みなパターンですっきり着こなせ、スーツにもカジュアルにも違和感なく対応。イタリア南部バーリを代表する名門テーラーブランドの、確かなトレンド咀嚼力を改めて実感できるモデルだ。 14万円(エディット ウェアハウス)

ニット6万6000円/クルチアーニ(ストラスブルゴ) チーフ2万2000円/アンドレアズ 1947(バインド ピーアール) パンツ3万6000円/エルビーエム 1911(トヨダトレーディング プレスルーム) メガネ3万1000円/モスコット(モスコット トウキョウ)

[ラトーレ]にみる"珠玉の落ち感"

メルトンタッチの柔らかな生地が、ドロップショルダーのゆったりしたシルエットに沿って綺麗に落ち、まるでマントのようなムードあるコート姿を築く。今作は'80年代に一世を風靡したイタリア発のソフトコントラクションなテーラードスタイルを、現代的に再解釈したもの。高度な技術で数々の有名ブランドのOEMを手がけてきたラトーレだけに仕立てに隙がなく、結果重厚な見た目に反して着用感は軽い。最旬のビッグシルエットに挑戦したいが、大人の審美眼を満たすものが……なんて人には最高の一着となろう。

[ Other Type ]
■HEVO/イーヴォのブリンディッジ

タイロッケンに2つボタンを装着したようなミニマルなデザインが新鮮。ベルトを留めずに着ると裾に向かって綺麗なAラインが愉しめるのもいい。生地はナイロン混で毛玉のできにくいソフトなメルトン。 9万5000円(トヨダ トレーディング プレスルーム)

[イーヴォ]にみる"2つボタンの優雅"

ダブルブレストのコートは、デザインやシルエット次第では風格が出すぎたり、武張った印象になることも多いもの。イーヴォの新作はそうした"貫禄ダブル"とは真逆のベクトルにある。一見ベーシックなデザインだが、よく見るとフロントボタンは腰ベルト上の左右2つだけ。これにより襟の大きさや優美なラインが際立ち、ラグランスリーブの丸みやたっぷりしたシルエットと相まって柔和で優しげな雰囲気を盛りあげているのだ。ちょっとした工夫だが、実に今らしいエレガンスに貢献するディテールだ。

[ Chesterfield Type ]
■CORNELIANI/コルネリアーニのIDコート

装いや気温の変化に合わせて使えるチェストプロテクター付き、とギミックに目がいきがちだが、北イタリア随一の実力派ファクトリーブランド製だけに仕立てのよさも抜群。優美な襟のロールやシェイプの利いたシルエットが男の体躯を艶っぽく彩る。 26万円(コルネリアーニ 丸の内店)

[コルネリアーニ]にみる"巧みなレイヤード"

胸元にジップで着脱可能な"チェストプロテクター"と呼ばれるインナーがセットになった唯一無二のコート。それがコルネリアーニの名作「IDコート」だ。2005年の誕生以来人気を博す同モデルだが、温度調節できるという機能面はもちろん「首元&胸元のレイヤードが洒脱」という視覚効果も大きい。しかも、本作はコートもインナーも同素材であるため、さらにシックな佇まいなのはご覧の通りだ。ウールの起毛感が際立つ、ライトグレーという色も効いており、簡単に他と差をつける着こなしを求めるなら好適だろう。

[ Tielocken Type ]
■RING JACKET/リングヂャケットのローブコート

タイロッケン同様、ボタンレス&共地ベルトにて締める仕様だが、形や細部の違いでよりリラックスした印象を与えるローブコート。昨年より襟形状を丸く、ゴージ角度も強くしたことで、よりクラシックな雰囲気に。 15万4000円(リングヂャケット マイスター206 青山店)

ニット3万3000円/アンドレア フェンツィ(コロネット) パンツ1万9000円/ブリリア 1949(トヨダトレーディング プレスルーム)

[リングヂャケット]にみる"バッファローチェックの男味"

昨年大好評を博したリングヂャケット流ローブ(ガウン)コートの新作。米国調のバッファローチェックで硬派な味を付加しつつも、ローブコート特有のリラックス感とソフトで膨らみ感ある"バルーン"生地のおかげで、サラリと羽織れるバランスのいい仕上がりだ。また当チェックといえば左のような「赤×黒」が多いなか、ビジネスでも使えるようグレートーンのチェックに少しグリーンを帯びさせたような色合いに。カジュアルなら、黒タートルをINし全身モノトーンにするだけで、クールな休日スタイルが完成する。

[ Chesterfield Type ]
■FORTELA/フォルテラのバッファローチェックコート

厚手メルトン生地を用いた赤×黒のバッファローチェックが米国ワークテイストを醸し出す一方、襟型や燻し加工のメタルボタンなどがヴィンテージの軍用コート的雰囲気も。稀代の服飾プロデューサーの編集力が冴えた、なんとも男心をくすぐる一着だ。 8万9000円(伊勢丹新宿店)

[フォルテラ]にみる"バッファローチェックの男味"

フォルテラは、数々の人気イタリアンブランドのプロデュースを請け負ってきたアレッサンドロ・スクアルツィ氏が、自ら企画立案したブランド。ヴィンテージのワークやミリタリーに造詣が深い氏だけに、ご覧のバッファローチェックのコートも「過去、アメリカにこんなアウトドアアウターがあったのでは?」と錯覚させるような凄みに満ちている。それでいてシルエットはイタリアらしく洗練され、着心地も軽やか。男らしく、そして程よく大人の茶目っ気が感じさせる冬姿を築きたいならぜひ一度羽織ってみて欲しい。

[ Duffle Type ]
■AZABU TAILOR/麻布テーラーのドレスダッフルコート

クラス感を高める高品質なディテールも見逃せない。トグルは水牛のリアルホーンで、コードはオイルドのグローブレザー。立体的なフードは着脱できるため、2通りの着方が楽しめる。キュプラの裏地のおかげで着心地も快適だ。 10万5000円〈オーダー価格〉(麻布テーラー プレスルーム)

スーツ14万5000円/バルバ(ストラスブルゴ) タイ2万5000円/ドレイクス(リングヂャケットマイスター206 青山店) シャツ2万5000円/エリコ フォルミコラ(ビームス 六本木ヒルズ)

[麻布テーラー]にみる"ダッフルでも品格あり"

カジュアル色の強いダッフルコートを、かくもドレスに振れるものか、と驚かされたこの一着。高いテーラーリング技術によるスリムシルエットはもちろんのこと、ダッフルでは珍しく生地がカシミア100%という点が重要。ご覧の通り、その柔らかな風合いをもって襟部分が"ラペルのように"美しくロールするのだ。さらにトグル本体、留めコードを同色にしたことで、悪目立ちも一切許さない。ジャストフィットを生み出すパターンオーダーであることも踏まえ、ドレスダッフルの完成形といっても過言ではないだろう。

[ Chesterfield Type ]
■LUIGI BIANCHI MANTOVA/ルイジ ビアンキ マントヴァのチェスターコート

素材には撥水・防風性・防シワ性に優れたロロ・ピアーナ社のグリーンストームシステムを採用。また、内ポケットや襟裏にはアルカンターラがあしらわれ、質感と強度が高められている。襟にはバラを模したラペルピンが。 11万8000円(トヨダトレーディング プレスルーム)

[ルイジ ビアンキ マントヴァ]にみる"秘めた収納の充実"

「エルビーエム 1911」の兄弟ブランドとして知られるイタリアの老舗から。本作は多彩なポケットによる収納力が自慢のジャケットから派生したコートで、内側に名刺ケースやスマホ、財布などを収納できる大小さまざまな5つのポケットを装備。つまり、手ぶらでの外出を可能にしてくれる、というわけだ。鞄を持たないだけで、スマートなコート姿になることは容易に想像がつくだろう。それでいて、素材には品位あるなめらかな風合いをもつ、ロロ・ピアーナ社製ウールを採用。さらなるエレガンスを加えてくれるのだ。

[ Chesterfield Type ]
■BOGLIOLI/ボリオリの千鳥柄 グレーコート

ベーシックなチェスターフィールドに、大きくはっきりとした千鳥格子でトレンドの英国エッセンスを添える。厚手の生地はウールをベースにナイロンとアクリルがミックスされたもので、表面はフェルト加工によって味わいのある起毛感が生まれている。 16万9000円(三崎商事)

[ボリオリ]にみる"快適を悟らせぬ風格"

堂々たる風格、着心地のよさ。ボリオリの新作コートはビジネスコートに欠かせない2つの美点を両立させている。立体感のある肩と胸は威厳を漂わせ、大きな千鳥格子が印象的なウールベースの生地は、厚みとボリュームがあるためしっかりと"落ち感"が存在。腰にはシェイプが効きつつも、シャープで美しいシルエットなのだ。と、オーラに満ちた姿を演出する反面、アイコン仕立てであり、生地は見た目よりも軽く、さらには伸縮性も兼備。着心地は快適そのもの。羽織ってわかる、まさに技ありの一着といえよう。

※表示価格は税抜きです。

撮影=若林武志、武蔵俊介 スタイリング=武内雅英(CODE) ヘアメイク=古川 純 文=吉田 巌(十万馬力)、押条良太(押条事務所)

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[MEN'S EX 2019年11月号の記事を再構成]

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