元看護助手、再審無罪へ 弁護側「自白経緯明らかに」
滋賀患者死亡

2019/10/23 23:13
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 記者会見を前に笑顔を見せる西山美香さん(左)と井戸謙一弁護団長(23日、大津市)=共同

記者会見を前に笑顔を見せる西山美香さん(左)と井戸謙一弁護団長(23日、大津市)=共同

滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者(当時72)を殺したとして殺人罪が確定し服役した元看護助手、西山美香さん(39)の無罪が確定する見通しとなった。大津地検は23日、再審公判で新たな有罪立証をしないと表明。自白の信用性を否定し、再審開始を認めた大阪高裁決定を事実上受け入れた形で、弁護団は「(公判で)自白の経緯を明らかにしたい」としている。

23日に記者会見した弁護団によると、検察側は18日付の書面で新たな立証をしないと明記した上で1回で結審し、19年度中に判決を出すよう求めた。有罪主張は維持するとみられるが、「人工呼吸器のチューブを外し、殺害した」とする自白調書などが証拠から排除されても異議は申し立てない。西山さんは「(検察の方針を聞き)びっくりした。無罪判決をいち早く言い渡してほしい」と訴えた。

有力な目撃証言や物証が乏しいなか、公判では男性の死因や自白の任意性、信用性が争点となった。西山さんは公判で無罪主張に転じたが、大津地裁は05年に懲役12年の判決を言い渡し、最高裁で確定、服役した。再審請求に対し、大阪高裁は17年、再審開始を決定。検察側は決定を不服として特別抗告したが、最高裁は今年3月に棄却し、再審が確定した。

高裁は再審の決定理由で、弁護側が新証拠として提出した医師の意見書などに基づき「患者が不整脈で自然死した疑いがある」と指摘。自白についても、取り調べを担当した警察官らの誘導に迎合した可能性があるとして「犯人であると認めるには合理的な疑いが残る」と結論づけた。

弁護団はすでに検察側に対し、再審請求審で開示されなかった捜査段階の滋賀県警の供述調書など約350点の証拠を新たに請求。井戸謙一弁護団長は23日の会見で「違法な捜査があったとみられ、自白に至った経緯を明らかにしたい」と話した。

元東京高裁部総括判事の木谷明弁護士は新たな立証を断念した検察の判断について「検察と警察は西山さんが罪を犯したと思い込んで自白を誘導したと言わざるを得ない。なぜ虚偽の供述を強いてしまったのかについて第三者による客観的な検証が必要だ」としている。

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