せかい旬景 目指せ世界のハブ空港(北京)

コラム(国際)
2019/10/25 22:00
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故ザハ・ハディド氏が設計した北京大興国際空港。曲線が多用された天井のデザインが目を引く

故ザハ・ハディド氏が設計した北京大興国際空港。曲線が多用された天井のデザインが目を引く

中国の北京で「北京大興国際空港」が9月25日に開業した。アジアのハブ空港の座を狙うべく800億元(約1兆2000億円)をかけて建設され、軍事パレードが開かれた10月1日の国慶節(建国記念日)にギリギリで間に合った。新しいモノ好きの血が騒ぎ、上海に向かう便を新空港発にして見学を兼ねることにした。

10月2日は国内線のみ就航していた

10月2日は国内線のみ就航していた

故ザハ・ハディド氏が設計した新空港は北京市街地から南に約45キロメートル。タクシーの運転手も「行ったことがない」と不安そうだったが、渋滞もなく1時間かからず到着した。

空港に設置された建国70周年を祝うオブジェの前で記念撮影する女性

空港に設置された建国70周年を祝うオブジェの前で記念撮影する女性

航空券の発券を補助する中国聯合航空のスタッフ

航空券の発券を補助する中国聯合航空のスタッフ

入り口周辺は建国70周年を祝うオブジェが飾られ、記念撮影をする人が絶えない。出発ロビーは流線形の構造物が天井に向けて張り巡らされている。フロアを行き来する人を見ると、空港を一目見にきた観光客がほとんどで、スーツケースを手にしている人が少ないことに気づく。10月2日の段階では営業開始している航空会社は少なく、中国東方航空の格安航空会社(LCC)、中国聯合航空の国内線がほとんどだった。

未使用のチェックインカウンター

未使用のチェックインカウンター

使われていないチェックインカウンターを見ると、準備不足のまま開業したように見える。中国には「メンツ」を重視する風潮があり、時にメンツを重んじるあまり、見た目だけ取り繕うこともあるという。新空港の洗練されたデザインは見た目は合格だ。しかし「安全」に「定時運航」されてこその空港で中身はどこまでともなっているだろうか。

人がまばらな搭乗ゲート周辺

人がまばらな搭乗ゲート周辺

少なくとも安全については満点だ。最新の顔認証技術を取り入れており、無数の監視カメラが目を光らせている。手荷物検査場ではじっくりと荷物を一つずつ調べ、カメラが入ったバッグは2度、3度とチェックされた。慣れないスタッフのせいもあるだろうが長蛇の列ができていた。

デザインの特徴はターミナル中央部から搭乗ゲートまで放射状に広がる構造。中央部からゲートまで最長で約600メートル。移動時間の短縮は、航空機の定時運航に一役買っている。

空港内のコンビニは商品が少なめで、同じ種類のパンが並んでいた

空港内のコンビニは商品が少なめで、同じ種類のパンが並んでいた

搭乗ゲートまでの道中、1軒だけオープンしていたコンビニエンスストアのパン売り場には1種類のパンだけが並んでいた。到着したゲートでは、航空会社の職員らしき人たちが集まり、談笑しながら研修を受けている。まさか管制塔内でも似たような光景が広がっているのではないかと不安になったものの飛行機は定時に離陸した。

機内から見下ろすとヒトデのような全景が見えた

機内から見下ろすとヒトデのような全景が見えた

ぐんぐん上昇する機内の窓からヒトデ型の空港全景が見えてきた。汚れた大気のせいだろうか、かすんで見えたが、空から見ると個性的なデザインで存在感は断トツだ。今はまだソフト不足が否めない新空港が既存の北京首都国際空港をしのぐハブ空港になる日も近いと感じた。

(NAR編集部 小林健)

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