ゴールドマン社員ら起訴、インサイダー取引の疑い

【ニューヨーク=伴百江】米証券取引委員会(SEC)と連邦検察当局は複数の欧米の投資銀行員を国際的インサイダー取引に関与した疑いで逮捕・起訴した。2件の異なる訴状によると、非公開情報を漏洩して金品を受け取っていた疑いでSECはゴールドマン・サックスの投資銀行員を逮捕、米連邦地方裁判所はロンドン在勤の投資銀行員2人を起訴した。
SECの訴状によると、逮捕されたのはゴールドマンの投資銀行部門のバイスプレジデント。情報を買い取った個人投資家は2015~17年の約3年間にわたり、総額260万ドル(約2億8200万円)を不当に獲得した。同じ案件でニューヨーク南部地区連邦地裁は同行員と個人投資家を起訴した。
同裁判所はまた、別の案件でロンドン在勤の投資銀行員2人を起訴した。2人は12年後半から18年初めにかけて、企業の買収や合併が公表される前にその情報を証券トレーダーに流し、その見返りとして現金や高級腕時計、高級衣料品など総額100万ドルを受け取った疑いがもたれている。
当局によると、2人は「大規模かつ国際的なインサイダー取引組織」に関与しており、組織全体では数千万ドル規模の不当な利益を上げていたという。