英議会、離脱関連法案が審議入り 議事日程巡り攻防

英EU離脱
2019/10/22 19:57 (2019/10/22 23:20更新)
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22日、英下院本会議で演説するジョンソン首相=ロイター

22日、英下院本会議で演説するジョンソン首相=ロイター

【ロンドン=佐野彰洋】英議会下院は22日、欧州連合(EU)との新離脱協定案の施行に必要な関連法案の審議を始めた。法案の骨格を承認するか同日中に採決する予定で、各議員が新離脱案に賛否を示す最初の機会となる。ジョンソン首相は10月末に離脱する方針を崩しておらず、与党・保守党は24日までの下院通過を目指すが、野党は徹底抗戦する構えだ。

ジョンソン氏は22日の下院本会議で、関連法案の成立が「『合意なき離脱』を回避する最善の策だ」と強調。「議会が協力を拒むなら、法案を取り下げて総選挙に向かわなければならない」とも語った。

英議会は19日、関連法が成立するまで離脱協定案の採決を先送りする修正動議を可決した。ジョンソン政権は関連法案の採決を先行する戦略に切り替え、下院での多数派工作に全力を挙げる。

保守党の議席数は287と、実質的な過半数の320に及ばない。離脱派の労働党議員に造反を働き掛けるほか、ジョンソン氏と対立して除名された元保守党議員らに賛成を働きかけている。

一方、労働党は移行期間の延長など離脱案に関する修正案を出し、EUとの合意の骨抜きを図るとみられる。EUとの関税同盟残留や再国民投票の提案も想定。EU残留派の元保守党議員や、北アイルランドが地盤で新離脱案に反対する閣外与党・民主統一党(DUP)との共闘をもくろむ。

英フィナンシャル・タイムズは政権側が実質過半数の320票をぎりぎり確保できるとの票読みを報じた。野党とは5票差の僅差で予断を許さない状況だが、予測通りに運べば10月末離脱の可能性も残る。

一方、議事日程を巡っても意見が割れている。保守党のリースモグ下院院内総務は「24日までに関連法案の下院での手続きを終わらせたい」と語った。だが法案の分量は110ページに及び、通常なら数週間かかる重要法案であるだけに、内容に賛成する元保守党議員らにも慎重な審議を求める声がある。法案の骨格が承認されて委員会への付託が決まっても、10月末までに最終結論が出ない可能性もある。

EUのトゥスク大統領は22日の欧州議会で、英国の延期要請への対応について「数日中に決める」と述べ、英議会の決定を見守る考えを示した。「『合意なき離脱』は決して我々の決定にはならない」とも語った。

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