英議会、22日に離脱関連法の審議入り 野党は反発

英EU離脱
2019/10/22 5:27
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英議会下院のバーコウ議長は、英政府とEUの離脱協定案の審議を却下した(21日、英下院のテレビ中継から)=ロイター

英議会下院のバーコウ議長は、英政府とEUの離脱協定案の審議を却下した(21日、英下院のテレビ中継から)=ロイター

【ロンドン=佐竹実】英議会下院は22日、欧州連合(EU)と合意した新たな離脱協定案について、関連法案の審議に入る。英政府は関連法案を早期に成立させて10月末の離脱に持ち込みたい考えで、超党派の多数派工作を進める。ただ最大野党・労働党などは反発しており、先行きは不透明だ。離脱期限を目前にしてもなお、英議会の迷走は続いている。

【関連記事】 英議会、離脱案の採決却下 関連法案の成立優先

英政府は関連法の本格審議を今週中に終わらせ、離脱案の承認に持ち込む算段だ。国会運営を担当する保守党のリースモグ下院院内総務は21日、「24日までに関連法案の下院での手続きを終わらせたい」と述べた。

これに対し、野党などは対抗する構え。最大野党の労働党は移行期間延長など離脱案に関する修正案を出して、ジョンソン政権の合意を骨抜きにしようとしているもようだ。英BBC放送によると、労働党はEUとの関税同盟に残る案や、再度の国民投票の提案を想定している。

英政府とEUは17日に離脱案に合意したが、実際に離脱するためには英議会の承認が必要だ。英政府は21日に離脱案の採決を諮ったが、バーコウ議長が「混乱を招きかねない」として却下した。19日の議会で、必要な関連法案が成立するまで離脱案の採決を先送りするとの動議が可決していたためだ。

19日に成立した動議は、EUとの合意を国内法に落とし込むまで採決はしないという内容で、超党派の議員が提出していた。これにより19日中の承認が不可能になり、英政府は法律に基づきEUに離脱期限の20年1月末までの延期を申請した。

だが、英政府は延期を前提としていない。ジョンソン首相は延期申請と同時にEUに送った書簡で「さらなる延期は英・EUの利益を損なう」として10月末離脱にこだわる姿勢を改めて示した。

政府は、離脱案に賛成する議員を確保できると読んでいる。1つは、22日からの審議を経て関連法が成立すれば、経済界が恐れる「合意なき離脱」の可能性が下がるとみているためだ。「関連法が成立すれば、離脱案承認に賛同する」とする議員が増えつつある。

自らの離脱案が3度にわたり否決されたメイ前首相も19日の下院で、「もし『合意なき離脱』を望まないのであれば、(現政権の)離脱案を支持すべきだ」と訴えた。

もう1つは、英議会や国民の間で「ブレグジット(EU離脱)疲れ」が広がっていることだ。これ以上英議会が迷走を続けて離脱の延期を繰り返すことになれば、国民の支持を失いかねない。

EUは英政府から離脱延期の申請を受けたが、認めるには英国を除くEU加盟27カ国全ての賛成が必要だ。今のところEU側に目立った動きはなく、英議会の動向を見極めているとみられる。

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