どうする北海道知事、地元財界「IR誘致」で結束

2019/10/21 19:15
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北海道経済連合会や北海道商工会議所連合会など道内経済4団体トップが21日、札幌市内で記者会見し、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を求める緊急共同宣言を発表した。他の自治体は続々と誘致に名乗りを上げており、北海道にも誘致表明を促した。「道としての早期の誘致表明を強く希望する」として、判断を急ぐよう求めた。

地元の財界が結束して個別の政策課題について都道府県に強く判断を促すのは異例。記者会見には道経連の真弓明彦会長と道商連の岩田圭剛会頭、北海道経済同友会の石井純二代表幹事、北海道観光振興機構の堰八義博会長の各団体のトップ4人が席を並べた。

共同宣言では(1)北海道経済の起爆剤となり観光先進国実現に貢献するため、IRのうち1カ所は北海道で実現させるべき、(2)北海道でのIR実現に向け道は早期に誘致表明を行い、実施方針策定などの具体手続きに入るべき――などとした。

IR誘致を「北海道でこそ実現すべき」とまで表現した背景には、観光を中心に広い産業に経済波及効果が見込めることがある。IRはカジノだけでなく会議場や高級ホテル、レストランなどの観光施設が集まった大型リゾートで、食と観光を強みとする北海道と親和性が高い。

道商連の岩田会頭は「一般的な観光旅行より経済波及効果の大きい国際会議や見本市などで国内外からビジネス層を呼び込みたい」と話し、国際会議や展示会など「MICE」と呼ばれる国際イベント誘致の拡大にも期待感を示した。

IRを誘致できれば、北海道の観光が抱える課題の解消にもつながる可能性が高い。急増する訪日客など観光客の受け入れ体制を強化するためにWi-Fi整備や二次交通の充実は不可欠だが、道財政に余裕はない。道はIR誘致で年に最大234億円の税収を見込んでおり、観光振興機構の堰八会長は「IR誘致の実現は課題解決に大きなプラス効果を生む」とメリットを強調した。

政府は2020年にも全国に最大3カ所設置するIRの場所を決める。国土交通省の調査によると、北海道を含む9自治体・8地域が誘致に前向きな姿勢を見せている。関東圏や関西圏の自治体が多く、地方でのIR実現を重視するなら北海道は一気に有力候補に躍り出る。

同友会の石井代表幹事は「本州や他地域とは異なった『地域型IR』の実現は、北海道バリューを発信する絶好の機会だ」と指摘した。他地域ではIR設備計画の認定申請に向け、すでに具体的に動き始めている。

IRの誘致には道民の賛同と後押しも欠かせない。北海道に先駆け、経済4団体は10月に「北海道のIRを考える会」を設置。独自にIRの啓発活動を始めている。

北海道の鈴木直道知事はIR誘致の是非を年内に判断する方針だ。経済4団体は今後、共同宣言に賛同する団体・企業を募り、鈴木知事にも提出する。道経連の真弓会長は会見で「北海道として最初の一歩を踏み出すことが重要だ」として、鈴木知事による早期の誘致表明を重ねて求めた。

(塩崎健太郎、高橋徹)

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