/

インフラ投資計画「野党・民主党は協力を」

米運輸長官、弾劾調査で政策停滞懸念

【ワシントン=中村亮】チャオ米運輸長官は21日までに日本経済新聞の書面インタビューに応じ、トランプ大統領が公約に掲げた巨額のインフラ投資について「超党派で取り組むべきだ」と野党・民主党に協力を求めた。トランプ氏の弾劾調査で政局が激化し政策が滞る事態に懸念を示したものだ。近く決定する自動車の排ガス規制に関し「新車が手ごろな価格になる」と説明。業界のコスト増に配慮し事実上規制を緩める立場を示した。

チャオ米運輸長官(中央)は天皇陛下の即位礼に参列するため訪日する=米運輸省提供

チャオ氏は22日に開かれる天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に米国代表団トップとして参列する。ブッシュ(父)政権で運輸副長官、ブッシュ(子)政権で労働長官を務め、政界に幅広い人脈を持つ実力者として知られる。夫は与党・共和党の上院トップのマコネル院内総務。

チャオ氏はインフラ投資計画について「(全ての議員が)交通システムの状態や安全性を心配している」と強調した。下院民主党がトランプ氏に対する弾劾調査を加速させていることを念頭に「下院の政治が議会の前進を阻むとすれば残念だ」と指摘。弾劾調査によって超党派で政策を進める機運がさらに失われて投資計画の策定が遅れかねないと懸念を示した。

トランプ政権と民主党は4月末、2兆ドル(約216兆円)規模のインフラ投資法案を検討することで合意した。ただ、その後に民主党が政権追及を強め、トランプ氏が反発すると法案は推進力を失った。チャオ氏は民主党が投資計画の財源に提案したガソリン増税を「排除しない」と語って秋波を送った。一方で巨額投資による財政悪化を懸念する共和党との調整もチャオ氏の課題になる。

チャオ氏は自動車の新たな排ガス規制を近く最終決定すると表明した。「新規制は、需要のない自動車の開発に巨額の投資をメーカーに強制するものにはならない」と説明。過度な環境規制が自動車メーカーの負担を強いると懸念し、規制を緩和する考えを示した。新規制を通じ「新車販売を増やし、高収入の雇用を後押しして国内の製造業の基盤を強化する」とも強調した。

排ガス規制をめぐり、カリフォルニア州は独自の厳しい基準の設定を目指して連邦政府を提訴した。チャオ氏は「米国には国家レベルでのみ基準を設けられる法律があり、それを執行する責務がある」と主張し、裁判で徹底的に争う考えを示した。リベラル色が強い同州と保守的な政策を進めるトランプ政権の対立を否定し、排ガス規制で独自基準を認めない理由でもないと説明した。

チャオ氏は自動運転技術の開発などをめぐり「乗り物に対する米国の安全規制の多くは時代遅れだ」と指摘し、規制緩和を進める考えを表明した。80社以上が米国で自動運転車の公道実験に着手していると説明。自動車メーカーやシリコンバレーのベンチャー企業に対して自動運転車の魅力をアピールし、消費者の需要を喚起するよう呼びかけていると強調した。

チャオ氏は天皇陛下の即位礼に参列することについて「大変光栄だ」と述べた。ハーバード大の同窓生である皇后さまについて「人生の歩みに関心を持ってきた」と強調し、訪日時の交流に期待を示した。日米関係については貿易協定の署名を引き合いに「とても強固でトランプ政権下で関係は深まった」と強調した。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン