新興企業ダイモン、超小型探査車で21年に月面目指す

2019/10/21 16:08
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ロボット開発スタートアップのダイモン(東京・大田)は超小型の探査車で、2021年をめどに月面への着陸を目指す。それに向けて月への輸送船を開発する米アストロボティック・テクノロジーと必要な契約を結んだ。

ダイモンの小型探査車の試作機は二輪にカメラを備えたシンプルな構造だ

宇宙で動く探査車の開発や資金調達などハードルは高いが、実現すれば日本の宇宙スタートアップにとって新たな一歩となる。

ダイモンが開発するのは幅と奥行きが15センチメートル、高さ10センチメートルの小型二輪走行ロボット「YAOKI」。車輪とカメラを組み合わせたシンプルな設計で、重さを600グラムに抑えた。

二輪のため、月面の砂の上でも横転せず走り続けるという。

月着陸船とのWi-Fiによる通信を経由し、地上から遠隔操縦する計画。探査車がカメラで撮影した映像を地上に送る。

将来は複数機を月面に着陸させ、水などの資源探査に使えるようにする構想を持っている。

現在は地上で砂の上を走る試作機を開発した段階だ。21年に向け、金属加工の町工場、東新製作所(同)と組んで月面の環境に対応するよう耐熱性などを高めた探査車を作る。

ダイモンは中島紳一郎最高経営責任者(CEO)が設立した。町工場からロボットなどの設計委託を受ける本業のかたわらで、8年かけて探査車を開発してきたという。中島氏は「月面で故障せず走れるという実績をまず残したい」と話している。

アストロボティックは月着陸船を開発し、輸送を担うスタートアップ。米ロケット大手のユナイテッド・ローンチ・アライアンスが21年にフロリダ州から打ち上げるロケットを使い、着陸船の初号機を月に送る計画だ。

アストロボティックは重さ1キログラム当たり120万ドル(約1億3000万円)で月への物資輸送を受注しており、21年の初号機ではダイモンの探査車など10個以上の荷物を運ぶという。

ダイモンの探査車は600グラムで、1億円弱の打ち上げ費用がかかるとみられる。中島氏によれば「プロジェクトの総額は3億円程度になりそうだ」という。個人の出資や企業からの協賛を募り、資金を確保する考えだ。

日本のスタートアップではispace(東京・港)も21年に米スペースXのロケットで探査機を打ち上げ、月着陸を目指している。

アストロボティックに実績は少なく、ダイモンが月着陸にこぎつけるためには克服すべき課題も多い。ただ、複数のスタートアップが月を目指す取り組みは、日本企業の宇宙ビジネスの裾野を広げる意義がある。

(山田遼太郎)

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