自宅の瓦が隣家のガラス割る 台風被害で賠償は必要か
弁護士 志賀剛一

眠れぬ人の法律クリニック
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2019/10/24 3:00
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「土地の工作物」とは、土地に接着しているもののことをいい、代表的な例として建物や道路、橋などが挙げられますが、必ずしも土地に接着していない建物の屋根や窓、エレベーターなどの設備もこれに当たると解されています。

また、「瑕疵」とは、その物が「通常有すべき性能」を欠いていることをいいます。工作物責任の規定は一次的に占有者、二次的に所有者が責任を負うことになっており、所有者のほうの責任は無過失責任であるといわれています。

しかし、法は不可能を強いるものではないので、予想をはるかに超える自然災害に対しては瑕疵があってもなくても損害が発生したであろうから、瑕疵との間に因果関係がなく、不可抗力として責任を負わないものと解されています。

■建物などが備えるべき性能、法的判断は?

ところで、屋根瓦はどの程度の風ではがれたり飛散したりするのでしょうか。

気象庁のホームページ(HP)では、風速20~30メートルで「屋根瓦・屋根葺(ふき)材がはがれるものがある」、風速30~40メートルで「屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある」と書かれています。

1978年(昭和53)年の判例は、風速14.5メートルに達しないのに屋根瓦が飛散し始めたという事案について「土地工作物に瑕疵がないというのは、一般に予想される程度までの強風に堪えられるものであること」と解釈を示したうえで、「予想される程度の強風が吹いても屋根瓦が飛散しないよう建物所有者の保護範囲に属する本来の備えがあるべきであるから、その備えがないときには、台風という自然力が働いたからといって、当該建物に瑕疵ないし瑕疵と損害との間に因果関係を欠くものではないと解すべきだ」と判示し、所有者の賠償責任を認めています。

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