黒田日銀総裁、追加緩和なら「副作用にケア」
ワシントンで講演

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2019/10/21 10:25
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ワシントンで日銀の金融緩和を説明した黒田総裁(20日)=共同

ワシントンで日銀の金融緩和を説明した黒田総裁(20日)=共同

【ワシントン=小太刀久雄】日銀の黒田東彦総裁は20日、米国のワシントンで開かれたセミナーに登壇し「さらなる金融緩和を実施する場合は副作用にも手当て(ケア)する」と語った。インフレ率の低迷が主要国の課題だと指摘したうえで「そのような状況でも金融緩和の拡大で経済を刺激できる」とした。緩和策と金融機関の収益・運用難への配慮の双方が求められるとの認識を示した。

金融緩和が長期化した時のリスクを複数掲げ、現状では対処できると語った。バブルにつながる資産価格の過度な上昇は、足元の日本では起きていないとも説明した。金融の仲介機能が失われることによる「金融機関離れ」についても、「融資が増えているので兆候はない」という。

一方、金利低下による貸出利ざやの縮小は「特に地銀に大きな影響を及ぼしかねない」と認めた。ただ「深刻な問題となり得るのは5年後や10年後だ」として「金融緩和の効果と副作用のバランスを見極める必要がある」と語った。

日銀が2013年に異次元緩和を始めてから、市場に配慮して修正を加えてきたとも訴えた。長短金利の急激な縮小を緩めるため、16年9月には長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を導入。「より良い手段となった」と評価した。そのうえで「深く刻み込まれたデフレマインドの克服には時間がかかる」と緩和継続に理解を求めた。

世界では米連邦準備理事会(FRB)が9月に政策金利の引き下げに動き、ブラジルやインドなどの新興国でも利下げが相次いだ。

10月末には日銀が金融政策決定会合を開き、四半期に1度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を示す。消費者物価指数の上昇見通しを小幅に下方修正するとみられ、2%の目標達成には一段の金融緩和が必要なのか関心が高まる。

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