堤防整備計画、3割未達成 台風19号で決壊地点も

2019/10/21 9:39
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河川整備計画に基づき水害対策を進めている国管理の河川で、堤防が必要な区間計約1万3千キロのうち、大きさが計画水準に達していなかったり、堤防自体が設置されていなかったりする区間が3月末時点で約3割に上ることが21日までに国土交通省への取材で分かった。台風19号で決壊や浸水した場所も含まれている。整備計画は途中段階だが、今後も記録的な大雨が降る可能性は高く、専門家は「対策は急務」と指摘している。

国交省は河川整備基本方針に基づく計画で、全国109水系について「200年に1度の水害に耐えられるか」などの目安で堤防の必要性や規模を決め、20~30年を目標に整備を進めている。

国交省の3月末の集計では、堤防の幅や高さが計画水準に達していない区間が計約3500キロ(約26%)あった。今回の台風19号で堤防が決壊した久慈川の3カ所(茨城県常陸大宮市)と、那珂川の3カ所(同市と同県那珂市)が該当した。

同様の区間の割合が高いのは、久慈川水系(約65%)のほか、北陸地方整備局管内の梯川水系(約55%)、中国地方整備局管内の高梁川水系(約54%)など。

堤防がない区間も計約750キロ(5.6%)あった。台風19号で氾濫した多摩川は、無堤防の場所から水があふれ、東京都世田谷区で住宅が浸水した。同様の区間は那珂川水系で42%に上るほか、近畿地方整備局管内の由良川水系で約39%、四国地方整備局管内の物部川水系で約34%だった。

一方、福島県須賀川市にある阿武隈川の堤防は、計画通り整備されたものだったが台風19号で決壊した。

国交省によると、用地取得が進んでいないケースや、流域全体のバランスを取る必要があるケースでは、整備が進んでいないという。担当者は「今回の水害も検証するが、堤防だけでは被害は防げず、川底の掘削など幅広い対策が必要だ」としている。

新潟大の大熊孝名誉教授(河川工学)は「治水の王道は堤防だ。整備途上で仕方ない面もあるが、決壊した以上は強化がおろそかだったことになる。高さが足りない場所で決壊することが多く、早急に整備を進めるべきだ」と話している。〔共同〕

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