英議会、新EU離脱案の採決先送り 修正動議を可決

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ヨーロッパ
2019/10/19 22:53
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英議会では、新しいEU離脱案の審議が白熱した(19日、ロンドン)=ロイター

英議会では、新しいEU離脱案の審議が白熱した(19日、ロンドン)=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】英議会下院は19日、英政府が欧州連合(EU)とまとめた新たなEU離脱案の採決を先送りした。「離脱関連法が成立するまで採決を保留する」という、超党派議員団の修正動議が先に可決されたためだ。政府には10月末からの離脱延期をEUに申請する法的義務が生じたが、ジョンソン首相は「延期は交渉しない」と述べ、週明けに必要な離脱関連法案を出す方針を示した。10月末離脱の行方は不透明になった。

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採決を保留する動議は、EUとの合意を国内法に落とし込む手続きが終わるまで、離脱案を採決しないという内容だ。離脱案が承認された後に関連する国内法の整備が間に合わず、10月末に偶発的に「合意なき離脱」となる可能性を除く狙いがある。ジョンソン氏に反発して9月に与党・保守党を除名された議員が主導した。

動議は賛成322票、反対306票で可決された。労働党など野党の大半に加え、政権に閣外協力する民主統一党(DUP)も賛成に回った。

政府は離脱延期法により、19日までに議会が離脱案を承認しなければ、2020年1月末へ3カ月延ばす申請を同日中に行うことが義務付けられている。EUの全加盟国が認めれば延期される。だがジョンソン氏は「EUは延期を歓迎しないだろう。10月末の離脱を実現するためにできる限りを尽くす」と訴え、月内の離脱を諦めない姿勢を強調した。

ジョンソン政権は週明けにも、離脱法案を通すための議会手続きに着手する。ただそこで議会の賛成多数を得られるかは見通せない。合意なき離脱の可能性は低下しているが、離脱の時期や英政局をめぐる視界不良の状況は続く。

英国は16年6月23日の国民投票でEU離脱の是非を問い、52%対48%の僅差で離脱を選んだ。メイ前首相は18年11月にEUと離脱案をまとめたが、英議会は3度にわたり否決した。離脱は当初の19年3月29日から延期された。

混乱の責任を取って辞任したメイ氏から7月に首相を引き継いだジョンソン氏は「合意なき離脱」も辞さない構えで離脱案の修正に取り組んできた。17日にはEUとの合意にこぎつけ、「新たな離脱案で離脱することが最善だ」と英議会に承認を求めていた。

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