即位の礼、まとう伝統美 「高御座」で即位宣明

「令和」新時代
2019/10/20 2:00
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天皇の代替わりに伴う「即位の礼」が22日、約30年ぶりに執り行われる。天皇陛下が即位を国内外に宣明される重要行事は、様々な伝統美に彩られている。一端を紹介する。

■高御座(たかみくら) 登壇し即位宣明

「即位礼正殿の儀」で使われる「高御座」(左)と「御帳台」(19日、宮殿・松の間)=代表撮影

「即位礼正殿の儀」で使われる「高御座」(左)と「御帳台」(19日、宮殿・松の間)=代表撮影

即位礼正殿の儀で、天皇陛下がここに登壇し、即位を宣明される。現在のものは1915年の大正天皇即位礼のために作られ、高さ約6.5メートル、重さ約8トン。クギを使わず、木のかんぬきで接合する仕組みで、朱塗りの高欄をめぐらせた黒漆塗りの浜床を土台に、八角形の床板と8本の円柱が大屋根を支える構造となっている。

高御座の内部には椅子があり、その左右に歴代天皇に伝わる剣と璽、公務で使う御璽(天皇の印)と国璽(国の印)を置く台を配置する。屋根の上には、古代中国で徳の優れた天子の世に現れると伝えられた想像上の霊鳥、鳳凰(ほうおう)を大小計9つ載せている。

皇后さまが昇られる御帳台は高御座をやや小ぶりにした大きさで、大正天皇即位礼の際に初めて設けた。いずれも平成の即位礼で使用した後に、京都御所で最も格式が高い紫宸殿(ししんでん)で保管していた。

今回は即位礼に先立ち、約3千パーツに解体し、2018年9月に皇居にトラックで移送。本番に備え、専門業者が漆の塗り直しなどの修繕を施した。

高御座が天皇の即位に関する儀式で使われるようになったのは奈良時代からとされる。平安時代の書物には、高御座の屋根が現在と同じ八角形だったとの記述もある。

今回の儀式に使われる高御座や御帳台は一般にも公開される予定だ。2019年12月22~25日と20年1月2~19日は東京国立博物館(東京都台東区)で、同年3月1~22日は京都御所(京都市上京区)で無料で見学できる。こうした機会は平成時にもあり、当時は10日間の公開期間中に約16万2千人が訪れる活況ぶりだった。

■三種の神器「鏡」「剣」「勾玉(まがたま)」

「剣璽等承継の儀」に臨む天皇陛下。手前は「三種の神器」の剣と璽を案上に置く侍従(5月1日)

「剣璽等承継の儀」に臨む天皇陛下。手前は「三種の神器」の剣と璽を案上に置く侍従(5月1日)

鏡、剣、璽を指し、伝承では皇室の祖神、天照大神が孫のニニギノミコトに授けたとされる。それぞれ八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と呼ばれ、国事行為で使う国の印の「国璽」と、天皇の印の「御璽」とともに、天皇陛下が5月1日の即位時、上皇さまから受け継がれた。

三種の神器は、明治期に制定した旧皇室典範で天皇の証しとされたが、戦後に定めた現行の典範には規定がなく、皇室経済法が定める「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」との位置づけだ。

鏡は伊勢神宮(三重県伊勢市)、剣は熱田神宮(名古屋市)に安置されており、鏡の形代(かたしろ)が皇居・宮中三殿の賢所に、剣の形代と璽が赤坂御所に保管されている。

■宮殿 7棟を回廊が結ぶ

即位礼正殿の儀が行われる皇居・宮殿

即位礼正殿の儀が行われる皇居・宮殿

「即位礼正殿の儀」をはじめとする様々な儀式や行事などが営まれる皇居内の施設。1945年5月の空襲で焼失した明治宮殿の跡地に建設され、68年10月に完成した。

地上2階、地下1階、延べ床面積2万4175平方メートルの建物で、正殿、豊明殿、長和殿など7つの棟から構成され、それぞれが回廊で結ばれている。

即位礼正殿の儀は、最も格式が高い正殿「松の間」で行われる。内部は宮殿内で唯一のケヤキの板張りで、儀式の様子は両側の壁面に設けられた報道室からガラス越しに取材できる構造になっている。正殿は他の各棟より高い位置にあり、床は中庭から3.7メートル高い。

饗宴の儀の主要会場となるのが豊明殿だ。広さ915平方メートルと宮殿内で最も広い部屋で、国賓との晩さん会などでも使われている。

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