景気判断5カ月ぶり下げ 「緩やかに回復」は維持
消費増税や台風被害の影響を注視

2019/10/18 17:48
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政府は18日公表した10月の月例経済報告で「輸出を中心に弱さが長引いている」として総括判断を5カ月ぶりに下方修正した。雇用の安定などを理由に「景気は緩やかに回復している」との基本認識は維持したが、世界経済の減速の影が濃くなってきた。先行き不透明感も強まっており、消費増税後の消費者心理や台風19号などの被害の影響に留意する考えを示した。

月例経済報告関係閣僚会議に臨む安倍首相(18日、首相官邸)

月例経済報告関係閣僚会議に臨む安倍首相(18日、首相官邸)

政府は「緩やかに回復している」との表現を2018年1月から使い続けている。足元でも個人消費の持ち直しが続き、内需は堅調とみている。西村康稔経済財政・再生相は18日の記者会見で日本経済の先行きについて「雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が続くことが期待される」と強調した。

10月1日の消費税率引き上げ後の反動減についても「(前回増税した)14年ほど大きな落ち込みはない」(西村氏)との見方だ。

ただ日本経済を取り巻く環境は厳しさを増している。最大の懸念は米中貿易戦争の長期化による外需の縮小だ。

既に日本の輸出は8月まで9カ月連続で前年割れの水準が続き、製造業の停滞を招いている。生産の動向を反映しやすい内閣府の景気動向指数に基づく機械的な景気判断は直近の8月分が4カ月ぶりに「悪化」に転じた。定義上は景気後退の可能性が高いことを示す。「輸出が減り、生産が落ち込むのは日本の景気が悪くなるときの典型的なパターン」(大正大学の小峰隆夫教授)との声もある。

海外ではドイツが4~6月期にマイナス成長に沈み、貿易戦争に直面する中国も減速が鮮明だ。英国の欧州連合(EU)離脱問題などの不透明要素も残る。

内需については、10月1日の消費増税の影響がまだ見通せない。内閣府の消費動向調査で、消費者マインドの強さを示す指数は9月まで12カ月連続で悪化。前回14年の増税時を下回る水準で推移している。今回の月例経済報告も「消費税率引き上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要がある」と明記した。反動減にとどまらず消費の基調自体が弱まれば、景気が腰折れしかねない。

自然災害も景気にとって試練だ。東日本の広域で記録的な大雨をもたらした台風19号の被害はまだ全容がつかめず、経済損失も甚大になる恐れがある。もともと市場では、日本経済が10~12月期にマイナス成長に陥るとの見方が大勢だった。被災者の生活再建や企業活動の復旧が遅れれば、さらにダメージは大きくなる。

月例経済報告の総括判断の下方修正は19年に入って今回で3度目。国内景気は「緩やかな回復」を維持できるのか、際どい局面にさしかかりつつある。

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