台風19号 美術館にも被害、収蔵品破損の恐れも

文化往来
2019/10/18 18:27
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収蔵庫を含む地下部分に大量の水が流れ込み水没した

収蔵庫を含む地下部分に大量の水が流れ込み水没した

各地に豪雨をもたらした台風19号は美術館にも大きな損害を与えている。川崎市市民ミュージアム(川崎市)では、雨水が大量に流れ込み、建物の地下部分が水没。同市によると、地下にある機械室や電気室、発電機が浸水により使用できなくなっている。13日から排水作業を続けているが、18日現在も10センチほどの水が残る。「どこかから、地下に直接水が入ってきており、水が引かない状況」(同市市民文化局市民文化振興室)だ。開催中の「のらくろであります!田河水泡と子供マンガの遊園地」などの企画展の作品は避難させた上で中止し、当面の間全面休館する。再開館のメドはたっていない。

川崎市市民ミュージアム(川崎市)は台風19号の被害を受け、当面の休館を決めた

川崎市市民ミュージアム(川崎市)は台風19号の被害を受け、当面の休館を決めた

同館は1988年に開館。日本の公立美術館・博物館で初めて漫画部門を設置するなど、ユニークな収蔵品で知られる。ポスターや映画フィルム、ビデオ、写真などの収集にも力を入れており、全国でも屈指のコレクションを誇る。水没した地下には収蔵庫もある。19世紀末の仏の画家、ロートレックのポスターや江戸時代の浮世絵師、鳥山石燕の妖怪図「画図百鬼夜行」などの作品が保管されている。収蔵庫は機密性が高い構造になっているが、「水に対して、どのぐらい効果があるかはわからない」(同振興室)。電気系統が機能していないため通常行っている空調による温湿度管理もできておらず、中にある作品の状態が心配される。

栃木県の佐野市立吉澤記念美術館は、床上浸水と土砂の流入に見舞われた。伊藤若冲の菜蟲譜(さいちゅうふ)をはじめ約600点の収蔵品に被害はなかったものの、館内設備の被害は大きく、休館を決めた。19日から始まる予定だった企画展「創る女たち」の開催も未定となっている。同館は「なるべく早期の開館を目指したい」としている。

(赤塚佳彦)

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