日本・ミャンマー合作「日本の娘」をデジタル復元

文化往来
2019/10/20 2:00
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日本とミャンマーの初の合作映画として1935年に製作されたニープ監督「日本の娘」

日本とミャンマーの初の合作映画として1935年に製作されたニープ監督「日本の娘」

ミャンマー(当時はビルマ)と日本の初の合作映画として1935年に製作された「日本の娘」を、国立映画アーカイブがデジタル復元した。26日に同アーカイブで初上映される。

「日本の娘」は「ミャンマー映画の父」と呼ばれるニープが監督、主演したトーキー作品。東京・ヤンゴン間の無着陸飛行に挑むために来日したビルマ人飛行士(ニープ)が、日本女性(高尾光子)と恋に落ちるという物語だ。日本の海外宣伝映画を手がけていたP.C.L.(現・東宝)が製作に協力し、特撮映画の先駆者である枝正義郎らが共同監督を務めた。

ビルマでは35年に公開され、大ヒット。東南アジアの周辺国でも公開された。ただ、日本では公開されなかった。フィルムは長く所在不明だったが、92年に同アーカイブが所蔵する米国からの返還フィルムの中に発見された。その後「にっぽんむすめ」という題名で上映されてきたが、デジタル復元にあたり、同時代の文献資料にある題名「日本の娘」に合わせた。

東京駅や有楽町、羽田飛行場や目黒雅叙園など35年当時の東京のモダンな風物、富士山や芦ノ湖など美しい観光地の風景がふんだんに映し出される。翻訳唱歌やカンツォーネ、さらには飛行機のエンジン音など、音声が効果的に使われるのも初期トーキー作品らしい。デジタル復元でこうした映像と音声が鮮やかによみがえった。

恋人に日本・ビルマ友好の大事業を遂行させるために、日本女性が自身を犠牲にするというメロドラマだが、英国統治下のビルマに対する当時の日本の国策を考える上でも興味深い。

デジタル復元は、映画の保存・活用の機運が高まるミャンマー側の要望もあり、実現した。ミャンマー映画生誕百年にあたる来年の3月にはヤンゴンでも里帰り上映される。デジタル素材はミャンマー側にも寄贈される予定だ。

(古賀重樹)

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