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青木功JGTO会長「一皮むけた石川遼へ今が転機」

2019/10/23 3:00
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男子ゴルフ史上初めて、米PGAツアーが日本に上陸。24日にZOZO選手権(千葉・習志野CC、賞金総額975万ドル、優勝賞金175万ドル)が開幕する。日本勢は米ツアーを主戦場とする松山英樹、小平智のほか、石川遼や今平周吾らが出場する。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長(77)に同大会や国内ツアーの今後について聞いた。

RIZAP・KBCオーガスタで池田勇太と談笑する青木会長(奥)=共同

RIZAP・KBCオーガスタで池田勇太と談笑する青木会長(奥)=共同

――チケットは完売、ファンの関心も高い。

「米ツアー選手が60人以上来るのは目玉だよな。自分が若ければ、そのなかで戦いたいよ。どんなゴルフができるかわからないけれど、立ち向かいたい。日本選手には、地の利を生かして勝負してくれたらいいなと思っている。どんなコースセッティングになろうが、選手に平等。そのなかで、うまく自分のゲームをコントロールしていければ、ワンチャンスあると思うよ。日本で気楽にできるし」

――日本勢への期待は。

「ZOZOだから、賞金が高いから頑張るのじゃなくて、何が足りないのか、何がいいのか? そういうことを思いながらやっていかないとダメだと思う。米ツアー選手と戦って、どういうゴルフをすればいいのか、自分で課題を見つけないといけない。日本のコースは知っているのだし、ファンもついている。気持ちに余裕をもってやったら、案外いい結果が出るのではないか。ゴルフは(成績に)浮き沈みのあるスポーツ。ベストコンディションにするためにトレーニングなどをやっているはずだが、今の自分の状態を知ることが大事だ。世間に自分をアピールする最高の機会だと思って、頑張ってくれればいいな」

石川には「3、4週間に1回は勝つようになってほしい」と期待する=共同

石川には「3、4週間に1回は勝つようになってほしい」と期待する=共同

――米ツアーで戦っていた石川、賞金王の今平は好調だ。

「遼は日本プロで(3年ぶりに)勝ったとき、『何かが降りてきたみたい』と言っていた。言葉ではうまく言い表せないだろうけど、10年間自分でやってきて、何か気づかされたことがあったのでは? 遼にとって、今は転機だと思う。15歳で勝ち、16歳でプロになり、米ツアーで戦い、(ゴルフが)壊れた時期もある。そのなかで常にゴルフのことを考え、『こうなのか』『ああなのか』と試行錯誤しながらやってきたことが実りつつある。トレーニングで背筋が強くなって、あまり振ろうとしなくても飛ぶようになった。日本プロで優勝し、セガサミー杯でも勝った。ビッグスコアもよく出るが、もう少しスコアが一定し始めたら一皮むけた遼が現れる。3、4週間に1回は勝つようになってほしい」

「周吾は1勝で賞金王になったこともある昔のトム・カイトみたい。常に優勝争いしているのはプロゴルファーには必要なことだと思う。期待を受け止めながらさらっと優勝争いするのが、今の今平じゃないかな。最終日に崩れたりすることがあるけれど、毎週のようにベスト10に入っているのはたいしたもの。アップダウンのある若い人が多い中で、波がなく活躍できるのは素晴らしい。ブリヂストンオープンで一つ勝って、ポンポンといくかもしれない」

今平について「波がなく活躍できるのは素晴らしい」と評価する=共同

今平について「波がなく活躍できるのは素晴らしい」と評価する=共同

――最近は日本ツアーから海外メジャーへ行っても、なかなか活躍できない。

「私たち『AON』の頃と今の時代は違う。我々はティーショットから技術を使うテクニックの時代だった。飛ばないのなら、それなりにやり繰りしてきた。今はパワー時代。障害物を楽々越えていける時代になり、テクニックを使うのはグリーン周りのアプローチやバンカーくらい。これだけ飛ばす時代になると、ついていくのが大変だ」

――女子は渋野日向子が全英女子オープンで優勝するなど「黄金世代」が活躍して人気だが。男子ツアーを盛り上げるには?

「女子はプロアマ大会のホスピタリティーが素晴らしい。ゲストへのあいさつもきちんとやっている。私は男子プロに『プロアマ大会はお客さんの日だから、サービスしなきゃダメだ』と何度も言っているが、どこまで理解してくれているのか。ゲストから『女子に比べてまだ物足りない』と言われることもある。みんな個人事業主だからか、前向きな選手は限られている。一部の選手だけど、もうちょっとホスピタリティーを考えてもらわないと、いいイメージを持ってもらえないのかも」

「ヘッドスピードの速さ、インパクトの音など男子プロらしいパワー、技術に憧れを持ってもらうのも必要だけれど、自然にもてなしができるようになればいいのだが……。試合で勝負しているときとは切り替えて、自然な別の顔、人当たりの良さなんかも見せてほしいよ。遼に頼るのでなく、3、4人、人気選手が現れると、もっとギャラリーを呼べるのではないかな。星野陸也選手ら、そういうふうになれそうな選手が少しずつ育っている気もするけれど」

星野らがもっとギャラリーを呼べる選手に育ってほしいと願う=共同

星野らがもっとギャラリーを呼べる選手に育ってほしいと願う=共同

――会長に就任して2期目。来年3月でひと区切りだが、ツアー改革は進んでいるのか。3期目も続けて会長を?

「改革は進んでいる。選手の国際競争力を高めるため、開幕戦のSMBCシンガポールオープンに加え、JGTOとアジアンツアー、韓国PGAとの共催で9月にシンハン・ドンヘ・オープン(韓国)を開催した。来年は、ゴルフパートナーがスポンサーの新しいプロアマ形式の大会もできる。400店舗ある同社の営業マンがお客さんに『予選会に出ませんか』と声をかけ、早々と今年から日本全国で同大会の予選を行う。画期的で面白くなると思うよ。ファンとの距離を縮め、メディアへの露出を増やすのも目的の一つ。プロアマ戦を、法人接待ではない世界に開放していく意味もある」

「『ゴルフFAN! プロジェクト』という企画もやった。4月からスポーツナビへ、練習場や、ロッカールームの選手の姿などを動画配信しているが、これは人気が高い。9月までに1億ビューを突破。1本当たりの再生回数は野球やサッカーJリーグを超えた」

「ただ、ツアー改革が進んでいるとはいえ、まだまだ。やっと浸透し始めているところ。乗りかかった船だから、もう1期、会長をやりたいと思っているけれど、選手から『やらなくていいよ』と言われるかもしれないからな(笑い)。ちょっと時間がかかるけど、選手たちみんなと協力しながら改革を進めて行きたい。トライ・アンド・エラー。やってみてダメなら、また次のことをやればいい」

(聞き手は吉良幸雄)

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石川には「3、4週間に1回は勝つようになってほしい」と期待する=共同共同

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