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ミネルヴァ書房の「日本評伝選」シリーズが200巻に

上代から現代まで、日本列島の歴史を作ってきた人びとの歩みをたどる「ミネルヴァ日本評伝選」(ミネルヴァ書房)が、9月刊行の鶴見太郎著「柳田国男」で200巻に達した。実証的な研究成果に基づきつつも、血の通った人間ドラマとしての歴史叙述を目指し、2003年9月から月1冊のペースで刊行を続けてきた。

第1巻刊行から16年で200巻に達した

ミネルヴァ書房の杉田啓三社長によると、シリーズの企画を監修した京都大の上横手雅敬名誉教授、東京大の芳賀徹名誉教授らと当初作った刊行予定リストには150人ほどが挙がった。宮廷人や武将、政治家だけでなく、作家や画家などの文化人、明治の日本を旅した女性旅行家のイザベラ・バード、帝国ホテル旧本館を設計した建築家のフランク・ロイド・ライトら外国出身の人物も積極的に取り入れた。専門家からの推薦を受けてリストを見直していくうちに人数は膨らみ、現時点で400人に達している。「ゆくゆくは千人を目指したい」(杉田社長)。

中でも特徴的なのは、従来目立たなかった歴史の「脇役」に光を当てた点だろう。高村直助著「永井尚志」は、開国派の幕臣として大政奉還の立役者となった人物を通じ、幕末の歴史を薩長雄藩の側からではなく、徳川幕府の視点で描き出そうとした。

おしなべて読者の反応が良いのは戦国武将だ。既刊で最も部数が多いのは6月刊行の小和田哲男著「明智光秀・秀満」の8千部。光秀を主人公にした来年放送予定のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の影響もあるという。

一般向けの読み物という側面を意識しているとはいえ、平均して300ページほどの厚さで一次史料への言及も多く、じっくり腰を落ち着けないと読みこなせない。そんなシリーズが16年続いたのは「日本の読者のレベルがまだまだ高いからだ。これからも期待に応えられる出版を続けたい」と杉田社長は話す。

(郷原信之)

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