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豊島逸夫の金のつぶやき

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欧米でドル急落、円は蚊帳の外

2019/10/18 12:06
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米ドルの実効為替レートを示すドルインデックスが97台まで急落中だ。先月は100の大台が視野に入るほど急伸していたので、かなりのドル売りエネルギーが市場に噴出している。

とはいえ、その実態はドルが売りの集中攻撃を受けているというより、ユーロとポンドが買われた結果起きた現象だ。

ポンド買いの背景は欧州連合(EU)離脱問題に一定の進展が見られること。17日も、英EU離脱条件合意の報でポンドが急伸した。しかし、その後は英議会承認のハードルを意識したポンド売りが再燃している。

かくして短期的乱高下を繰り返しつつ、今月に入り趨勢的に見ればポンド高傾向が顕著になっている。

いっぽう、ユーロ買いの主たる要因は欧州中央銀行(ECB)だ。

任期終了直前にドラギ総裁が置き土産として残す量的緩和再開を含む金融緩和パッケージは、市場のユーロ売りを誘発していた。ところが、その後、ECB理事会議事録などで、ドイツ・フランス等から強い異論が出ていたことが判明。ドラギ氏が強引に主導した印象が強く、ユーロ売りに走っていた通貨投機筋が一転警戒感を強め、ポジション巻き戻しに動いた。なにせ次期ラガルド総裁は、中央銀行経験が無く、その金融政策手腕は未知数だ。

更に、急激に進行したドイツを中心とする欧州経済の悪化傾向に対しても、そろそろ底入れするのでは、との見方も出始めていた。ドイツ10年債利回りも先月はマイナス0.7%台まで急落していたが、17日には一時マイナス0.3%台まで上昇する局面もあった。

今や、世界の債券市場の目がドイツに向いているほど注目度は高い。ドイツ国債につられて米10年債利回りが上昇するという現象も見られる。

対ドルのユーロ相場は、先月末から今月初めにかけて1ユーロ=1.08ドル台までユーロ安・ドル高に振れていたのだが、直近では1ユーロ=1.11ドル台まで戻してきた。

なお、ニューヨーク(NY)市場では「安全通貨」とされる米ドルが、リスク選好度の回復とともに、売られるという展開も無視できない。

そのなかで、「安全通貨」の地位を米ドルと競う円は膠着状態になり、外為市場でマネーが寄り付かない。

英国・シリア情勢の緊張感が暫時後退して、若干円安には振れているが、ユーロ・ポンドに比べると値動きが限定的だ。

今後の焦点は、やはり日米欧中央銀行の緩和競争だろう。

ECBが「最後のドラギ・マジック」で緩和競争優勢と見られたが、その後、失速。米連邦準備理事会(FRB)も日銀も金融政策には手詰まり感が強まる。最近は、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の講演などで、日銀に倣うイールド・カーブ・コントロール導入論などが語られるほどだ。まずは、10月29-30日開催のFOMCで事前予測通り予防的利下げが決定されるか。ECBと同じくFRB内部の意見もかなり割れている。利下げに対する反対者が9月FOMCでは2人であったが、その数が増えると、外為市場では一転金利差要因のドル高に転じる可能性もある。利下げを織り込んだ市場は、利下げ議論が発する異音のほうに耳を傾けている。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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