独政府、20年経済見通しを下方修正 財政出動求める声

2019/10/18 2:05
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【ベルリン=石川潤】ドイツ政府は17日発表した秋の経済見通しで、2020年の実質成長率を春時点の1.5%から1%に下方修正した。19年は0.5%のまま据え置いた。米中の貿易戦争などでドイツの輸出・生産には強い下押し圧力がかかっており、景気減速の出口が見えにくくなっている。アルトマイヤー経済相は「経済危機の恐れはない」との見方を示したが、ドイツの国内外では政府の財政出動を求める声も高まっている。

ドイツのアルトマイヤー経済相は経済危機のリスクを否定した=ロイター

「ドイツの景気は分裂した状況にある」(アルトマイヤー氏)というのが独政府の認識だ。貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱交渉などを巡る不透明感で企業の景況感の落ち込みに歯止めが掛からなくなっている。ただ、失業率は低下して賃金も上昇し始めるなど、内需は堅調さを維持しており、景気はなお下支えされているとみる。

こうした政府の見方に対し、ドイツの国内外では危機感が強まっている。ドイツ産業連盟(BDI)のヨアヒム・ラング氏は17日、「世界の経済情勢は息をのむような速さで悪化している」と警告した。欧州中央銀行(ECB)などでも欧州の盟主であるドイツがいち早く財政出動に動き、景気を下支えすべきだとの声が強まっている。

ドイツのメルケル首相は今のところ、財政黒字を維持する姿勢を崩しておらず、財政出動には慎重な構えだ。経済危機のリスクが高まれば対応するが、その兆候は見られないと主張し続けている。新たな条件で合意した英国のEU離脱の行方などを見極めていく方針とみられる。

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