/

札幌開催「対処できる」 マラソン・競歩で陸上関係者

札幌開催でも消耗戦の課題は残る(世界陸上の男子20キロ競歩でドリンクなどを受け取る山西利和=共同

2020年東京五輪のマラソンと競歩が、札幌市で開催される見通しとなった。日本の陸上関係者にとって「寝耳に水」の話。戦略の見直しも迫られそうだが、「これまでの取り組みが無駄になることはない」と冷静な受け止めもしている。

東京開催を前提にした準備は数年前から行ってきた。マラソンは本番を想定して夏場に東京で合宿を実施。汗の成分を分析し、給水の中身に生かすなど暑熱対策に注力してきた。9月には代表選考会を本番とほぼ同じコースで行い、男女各2人を決定。地の利を最大限生かすための仕掛けを続けてきた。

その旗振り役だった河野匡・日本陸連長距離マラソンディレクターは「決められたところでやるしかないのが僕らの立場」としつつ、「暑さ対策をしながら涼しかった場合も考えてきた」と強調する。現場が混乱しないように対応していく方針だが、選手は試走をしてレースのイメージを膨らませるだけに「早く決めてほしい」というのが本音のようだ。

実際、札幌開催にしても消耗戦になる可能性は残る。8月下旬に開催される北海道マラソンでは気温が30度近くまで上がる年もあり、夏のマラソンでリスクがあることに変わりない。札幌ドーム発着となるコースが検討されているが、五輪代表の鈴木亜由子が所属する日本郵政グループの高橋昌彦監督は「(北海道マラソンと)似たようなコースなら日陰が東京より少なくなると思う。体感は北海道でも暑い」と印象を語る。

競歩も50キロで4時間を超えるレースが予想され、暑さが懸念されていた。選手からもコースの変更を訴える声が出ていたが、日本チームはもともと夏の強化期間に北海道千歳市で合宿を行ってきた。

今村文男・五輪強化コーチはコース変更案について「暑いよりも涼しい方が(選手には)ありがたい」としたうえで、コースいかんにかかわらず引き続き地道な強化を続けていくと話す。「暑さへの対応力のアドバンテージがなくなるという発想があるかもしれないが、これまで記録と技術の面で力をつけてきた。基本的には対処できると思う」という。

世界選手権では頭、首、手を冷やす対策が効果を発揮し、男子50キロと20キロを制した。会場が変わってもこれまでの蓄積は生きると見ていて、今後は「継続的な暑さ対策と速さへの対応の2本柱」で準備を進めていくことになりそうだ。

(渡辺岳史)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン