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海外の採点基準、認識して反映を…米田功(体操)

2019/10/17 17:33
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13日に閉幕した体操の世界選手権で日本男子は団体総合が昨年に続き銅メダル、個人も種目別平行棒の萱和磨(セントラルスポーツ)の銅1つという結果だった。大会を通して最も印象的だったのはロシアの強さ。東京五輪の金メダルを狙うなら、戦略や選考基準の練り直しが必要だ。

ロシアはリオデジャネイロ五輪団体銀のメンバーのほとんどが健在だ。個人総合で圧倒的な強さを示したニキータ・ナゴルニーを筆頭に、前年王者で2位のアルトゥール・ダラロヤンもいる。

複数の有力選手をそろえた陣容は、内村航平(リンガーハット)を軸に加藤凌平(コナミスポーツ)や田中佑典(同)も個人総合の表彰台に上がっていた頃の日本と似ている。「どうやったら差を詰められるのか」と日本を追っていた彼らに立場をひっくり返された。

日本も各選手がDスコア(難度点)を上げたところに1年間の成長は感じる。ただ勝負を分けたのは昨年と同じで、団体決勝でロシアに約3.5点差をつけられたEスコア(実施点)の方だ。

世界の採点基準は演技を正確にやりきるかどうか。ナゴルニーのように体の線が出にくいがっちり体形でも、細かい部分まできっちりやれば高得点が出る。それを日本選手がまねしても国内の代表選考で有利になるとは限らないのが問題だ。

海外で評価される演技が日本の審判に評価されないという現実。図らずもそれを証明したのがチーム最年少の18歳、橋本大輝(千葉・市船橋高)だ。予選のあん馬で見せた正確な演技で、Eスコアが8.883点と全体3位の高評価を受けた。

だが、6月の全日本種目別で同様の演技をしても8.5点だった。Eスコアを決める審判は決定点から離れすぎた点を何度もつけるとペナルティーを受けるので、高得点をつけにくいのだ。良い演技をしてもEスコアが出なければ、選手は無理にDスコアを上げようとして崩れてしまう。

内村が世界をけん引したリオ五輪までは日本の「美しい体操」という理想を追えば良かったが、もはや基準となるのはロシアや中国だ。世界でどんな体操が美しいとされるかを正しく認識し、採点や代表選考に反映しなければライバルの背中は遠ざかるばかりだ。

 
よねだ・いさお 1977年8月生まれ、大阪府堺市出身。2004年アテネ五輪で主将として28年ぶりに団体金メダルを獲得し、種目別鉄棒で銅メダル。現在は徳洲会監督、日本体操協会常務理事。

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