ギョーザで中国開拓、製造機と飲食店両輪に 東亜工業

アジアBiz
2019/10/20 18:00
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東亜工業(浜松市)はギョーザ製造機の最大手だ。1970年代に製造機を生産し始めた先駆者で、店がこだわり抜いてつくるギョーザを再現する技術に強みがある。国内ではギョーザを出す飲食店を運営。製造機と飲食店を両輪にしたビジネスを海外でも進める方針で、まず中国などの開拓に乗り出している。

 東亜自動化設備(大連)で造るギョーザ製造機は中国などに販売する。

東亜自動化設備(大連)で造るギョーザ製造機は中国などに販売する。

8月、中国・遼寧省のある商業施設に請井正社長の姿があった。ギョーザを出すグループの飲食店「浜太郎」を出店するため、担当者との交渉に臨んでいた。中国以外でも検討しているが、商談が成立すれば海外1号店となる見通し。

浜松でつくられるギョーザは皮が薄く、具材にキャベツをたくさん使う。口当たりが軽く「浜松餃子」と呼ばれる。浜太郎はその人気店となっている。2010年に始めた事業で、浜松市では4店運営している。

中国での飲食店事業の試みはギョーザの製造機だけでなく飲食店でも、海外に成長の機会を見いだそうとするものだ。1963年創業の同社にとって、新しい歴史の1ページとなる。

同社はもともと自動車部品用の金型を製造する下請け企業からスタートした。その下請けから脱却したかった先代が、浜松ゆかりのギョーザの製造機を開発し、76年に売り出した。

同社の製造機はギョーザの大きさや形、具の量や皮の厚さに至るまで再現できるといわれる。主力の小型機「餃子革命」の生産能力は1時間1500個。手づくりの5倍以上で、他社製よりも多いという。

請井社長は「製造機を受注生産するなかで、顧客のきめこまかな要望をくみ取ってきた」と話す。個人店などの需要も取り込み、国内の累計出荷台数は6000台で、推計シェアは6割だ。

90年代、韓国や台湾への製造機の輸出が本格化した。その後、海外で日本のラーメン人気が高まり、ギョーザに追い風が吹いた。情報発信に伴い、注文が自然と舞い込み始めたという。

そして12年、中国・大連市に製造機を生産・販売する東亜自動化設備(大連)を設けた。中国や香港、台湾にはこの拠点から販売している。現在では40を超す国・地域に輸出し、海外総出荷台数は約800台で、シェアは3割という。

製造機を手掛ける東亜工業の19年7月期の売上高は7億円で、前の期から15%増えた。「浜太郎」を展開する子会社の18年11月期の売上高は2億7千万円で、13%伸びた。

「日本のギョーザが世界で愛される存在になることを目指したい」と請井社長。飲食店のビジネスで日本のギョーザのファンをつくれば、製造機の販売にもつながると期待している。消費者も事業者もつかめるか。まずは本場・中国での挑戦となる。

会社概要 1963年創業。自動車部品の金型を手掛けていたが、76年にギョーザ製造機の販売を始めた。2010年に浜松市でギョーザ店「浜太郎」1号店を開き、現在は市内に4店ある。

(浜松支局長 新沼大)

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