インフル薬「ゾフルーザ」、12歳未満は使用慎重に

2019年春に変異型のウイルスが相次いで報告されたインフルエンザ治療薬のゾフルーザについて、日本感染症学会は12歳未満の子どもについては使用を慎重に検討すべきだとする提言をまとめた。薬の効きにくい耐性ウイルスの発生率が高く、発熱などの症状が長引きやすいことを考慮した。近く学会のホームページで公開する。
提言では、12歳以上については十分なデータがそろっておらず、現時点で使用を推奨するかどうかは言及できないとした。また、重症のインフルエンザ患者や、免疫力の落ちている患者などに対してはゾフルーザの単独での使用は推奨しないとした。
ゾフルーザについては、国立感染症研究所の研究チームなどが服用した患者から変異型ウイルスを見つけたと19年春に報告。服用していない患者からもこのウイルスを確認した。同学会は4月から使用に関する提言を検討していた。
開発元の塩野義製薬によると、大人では変異株に感染しても症状の続く時間は通常のウイルスと変わらないが、子どもでは長引く傾向があるという。
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