米経済「わずかに拡大」 地区連銀報告が判断下げ

2019/10/17 3:25 (2019/10/17 6:21更新)
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米製造業の活動は弱まっている(アラバマ州の製鉄工場)=ロイター

米製造業の活動は弱まっている(アラバマ州の製鉄工場)=ロイター

【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)が16日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、9月以降の米経済について「わずかか、または緩やかなペースで拡大した」とし、前回の「緩やかなペースで拡大」から判断を引き下げた。南部や西部と比べて中西部で成長が弱いと指摘。企業は景気拡大が続くと予測しているが、「多くは6~12カ月後の見通しを引き下げた」と報告した。

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今回の報告では米景気がやや減速したことを示唆した。製造業の活動は引き続き弱まり、一部企業は「長引く貿易摩擦と海外景気の低迷が重荷になっている」と指摘した。

ボストン地区では半導体メーカーが貿易政策の不透明感から新工場建設を遅らせているとの報告があったほか、クリーブランド地区の製造業者は顧客がさらなる減速を予期して在庫を大きく減らしていると伝えた。ゼネラル・モーターズ(GM)の工場ストライキの影響は「限定的」としたが、シカゴ地区の供給業者からは「受注に波及し始めている」との声があった。

農業も悪天候などを背景に一段と悪化した。セントルイス地区ではトウモロコシ、コメ、大豆の大幅な生産落ち込みが予測されており、「商品価格下落と貿易をめぐる不透明さに農家は悲観的」とした。

ただ、米経済をけん引している個人消費は、今のところ「平均すると堅調」だった。自動車以外の小売り売り上げは緩やかに増加した。また、金融以外のサービス業は堅調に拡大した。

雇用増は「わずか」で、前回報告よりペースが鈍化した。労働市場の逼迫で人材がみつからない点を採用抑制の理由にあげる企業が多かった。製造業と運輸業では雇用が弱く、受注減を受けて人員を削減したと報告する製造業者も複数地区であった。ただ、賃金は大半の地区で依然緩やかに上昇した。

物価上昇率も大半の地区で緩やかだった。製造業者と小売業者の両方が、新しく関税対象となった製品の仕入れ価格の上昇を指摘した。顧客や消費者への価格転嫁は小売業者の方がやや進んでいたという。

同報告は、10月7日までの情報に基づき、全米の12地区連銀が経済動向をまとめた。29~30日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)の検討資料になる。

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