JR四国の鉄道網維持 4県の連携が課題

中国・四国
2019/10/17 7:30
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JR四国と四国4県は18日、鉄道網の維持に向けた懇談会を徳島市で開き、今後の方向性を中間整理の形で取りまとめる見通しだ。JRの路線は各県をつなぐネットワークを形成している。4県が一枚岩となって利用促進に取り組めるかが今後の焦点となる。

JR四国にとって都市圏の利用促進は大きな課題(高松駅周辺)

JR四国にとって都市圏の利用促進は大きな課題(高松駅周辺)

「お互いに納得した方向性を示す」。JR四国の半井真司社長は9月30日の記者会見で、中間整理のとりまとめへ意欲を示した。

鉄道とバスのダイヤを調整し乗り換えを円滑にするといった他の交通事業者との連携強化や、一定周期で鉄道を運行する「パターンダイヤ」の推進などが盛り込まれる見通し。次世代交通サービス「MaaS(マース)」など最新技術も取り入れて利便性を向上させながら、鉄道を生かした街づくりを進める。

人口減で厳しさを増すJR四国の経営状況を踏まえ、鉄道をどう維持していくか。中間整理は4県が共通認識を持つための土台となる。利用者を増やす具体策について、各県がそれぞれ開催する懇談会が2019年度中の取りまとめを目指す。

県別の議論は既に始まっている。徳島県はもともと今後の公共交通のあり方を話し合う県生活交通協議会があり、そのワーキング部会を県別懇談会に活用する。同協議会は年内に「次世代地域公共交通ビジョン」をまとめる計画。徳島や鳴門などを拠点駅と位置付け、鉄道とバスの乗り継ぎの改善などに取り組む。出発地から目的地までストレスなくつながる地域の移動手段を確保する。

高知県と愛媛県は19年度に入り県別懇談会を立ち上げた。高知では予土線でのふるさと納税制度を活用した返礼品としての企画切符などが案として出ている。愛媛ではJRとバスのどちらも利用可能なセット定期券の発売などが利用促進策の候補だ。一方、香川県はまだ県別懇談会を立ち上げておらず、4県で議論の進捗に差がみられる。

利用促進策を検討する上で、難しさが四国にはある。予讃線は香川と愛媛をつなぎ、土讃線は香川、徳島、高知の3県にまたがる。北海道とは異なり、四国各県の連携が重要になる。

国土交通省によると2000年度以降、4月1日時点で全国の41路線、距離にして895キロメートルの鉄軌道が廃止された。JRでは北海道、東日本、西日本の3社で廃線があるが、四国は何とか踏みとどまっている。

だが、四国の鉄道網が瀬戸際に立っていることは間違いない。JR四国の13~17年度平均の線区別収支は、全18線区のうち本四備讃線(瀬戸大橋線)を除く17線区で赤字だった。都市圏ですら稼げない状況はJR四国にとって大きな痛手で、今後の利用促進策を通じてこの状況を打開できるかどうかも大きな焦点だ。(辻征弥)

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