名古屋栄に高層ビル群 180メートル新三越ビルで街一変

2019/10/17 6:30
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名古屋市の繁華街、栄地区の再開発が本格的に動き出した。名古屋三越栄店のビルを運営するオリエンタルビル(名古屋市)は9月、2029年の完成を目指して高さ180メートルの高層ビルに建て替える構想を明らかにした。街の中心地をぐるりと囲むように再開発計画が相次ぎ、栄地区の風景は大きく変わりそうだ。

「夢がありますね」「大発表だ」。9月30日、オリエンタルビルの平松潤一郎社長が自身のパーティーで構想を披露すると、出席者から驚きの声が上がった。平松氏は「地権者や地元の協力を得ながら、栄のランドマークとなるように10年間頑張りたい」と話した。

新たなビルは地上34階、地下4階の超高層。現在46.45メートルある高さは4倍近くになる。栄地区は久屋大通公園にある名古屋テレビ塔から南に向かって、明るく見通しのよい景観が特長だ。久屋大通公園の両側に並び立つ商業ビルはいずれも高さ50メートル程度。目立った高層ビルはなく、景色は一変しそうだ。

現在のビルは名古屋三越の前身「オリエンタル中村百貨店」が開業した1954年に完成し、老朽化が目立っていた。オリエンタルビルによると、名古屋市の都市再生特別地区の指定を受ければ容積率を1.5倍、延べ床面積を13万平方メートルに拡張できる。低層階に三越などの商業施設、中層階に国際会議を開くコンベンションホール、高層階に高級ホテルなどの誘致を検討している。24年をめどに計画を固める。

名古屋三越のビル建て替え後のイメージ図=オリエンタルビル提供

名古屋三越のビル建て替え後のイメージ図=オリエンタルビル提供

名古屋では2000年以降、名古屋駅前のビル建設ラッシュが続いた。JR名古屋高島屋の開業を皮切りに、ミッドランドスクエア、大名古屋ビルヂング、JPタワー名古屋と超高層ビルがそびえ立ち、栄地区は「お株」を奪われた格好だ。2027年のリニア中央新幹線の開業を前に駅周辺の経済は活発化している。

巻き返しを図る栄地区。三越と道路を挟んで向かい合う市有地「栄広場」や老舗百貨店「丸栄」の跡地など、ここに来て再開発計画が相次ぎ動き出している。

栄広場は名古屋市と大丸松坂屋百貨店が共同で、地下鉄に直結した商業施設などの建設を計画。事業主の提案次第のためどの程度の高さになるかは不明だ。だが、高級ホテルを誘致する場合などに容積率が緩和されることから、高層ビルになるとみられる。

丸栄跡地は興和(名古屋市)が20年末にも3階建ての商業施設をオープンする。一定期間営業したのち北側の「栄町ビル」と「ニューサカエビル」を取り壊し、高層ビルを整備することも視野に一体開発する。栄町ビル内の名古屋国際ホテルは20年9月に営業を終え、建て替えの準備に入る。

名古屋テレビ塔は20年夏にホテルを擁した新たなタワーに生まれ変わる。タワーの高さは180メートルで変わらない。1966年の開業から地元住民に愛されてきた中日ビルは3月に閉館し、2024年度に高さ170メートルの高層ビルに建て替わる。

(林咲希、細田琢朗)

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