埼玉県内、住宅2100棟超が浸水 台風19号

台風19号
2019/10/15 20:12
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非常に強い台風19号は埼玉県内にも大きな被害をもたらした。各地で河川の氾濫が相次ぎ、東松山市と鳩山町で計2人が死亡。2100棟以上の住居が浸水被害を受けた。土砂崩れによる道路の寸断や断水などで企業活動にも影響が出ている。県は国や市町村と連携して情報収集や復旧対応を急ぐが、広域に及ぶ被災状況の全容把握にはなお時間がかかる見通しだ。

県がまとめた15日午後1時現在の情報によると、県内では一時33市町村で避難勧告が発令され、3万人以上が避難。死者2人のほか、24人が重軽傷を負った。

東松山市を流れる都幾川の堤防が決壊するなど県管理の河川46カ所で水があふれ、計914棟で床上まで浸水した。東松山市(240棟)、川越市(200棟)、坂戸市(113棟)などで被害が大きかった。

川越市の特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」は約120人の入居者が一時孤立。全員が救助されたが、職員らは15日、流れ込んだ土砂の処理などの復旧作業に追われた。

東松山市の中核的なショッピングモール「ピオニウォーク東松山」も浸水により全館で臨時休業を余儀なくされた。1階の店舗に土砂が流れ込み、復旧に時間がかかる見通しだ。地元の50代男性は「周辺が湖みたいになった。ショッキングな光景だ」と声を落とした。

埼玉県が地盤の食品スーパーのヤオコーは「商品が届けられない可能性がある」として、ネットスーパーの配送を16日まで中止する。さいたま市の浦和総合流通センターにも浸水被害が出るなど、小売りや流通の現場に大きな影響が出ている。

農業被害も明らかになってきた。県農林水産部によると、水稲や大豆、ねぎ、ブロッコリーなどの農地で浸水の報告があった。日高市ではウズラの畜舎が浸水し、約10万羽が死んだという。パイプハウスの倒壊や損壊が47棟に上るなど、農業関連施設の被害も広範囲に及んだ。

道路の寸断や停電、断水なども各地で相次ぎ、企業活動に支障を来している。川越市内ではヘリコプターの運航を手掛ける朝日航洋(東京・江東)のメンテナンスセンターに水や土砂が浸入。格納庫に置いていた自社機のほか、顧客のヘリコプターが水につかった。15日までに水は引いたが、断水で掃除ができない状況が続いているという。

県は被害の大きい東松山市や坂戸市に職員を派遣するなどして情報集約や被災地支援を進めているが、状況の全容把握は難航している。大野元裕知事は15日の災害対策本部会議で、県幹部に「これから復旧・復興の本格的な段階に移行する。被災者が一日も早く日常生活を取り戻せるよう、しっかりと取り組んでほしい」と指示した。

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