アパレル在庫処分のShoichi、アジア店舗網拡充
アパレルの在庫処分を手がけるShoichi(ショーイチ、大阪市)はアジアで店舗網を広げる。北陸銀行など複数金融機関からの融資で4億円を調達しており、昨年から進めている海外小売店の出店拡大に充てる。東南アジアで1年に3店程度を出店する計画だ。

Shoichiは国内のアパレル企業から衣料品の在庫を買い取り、自社の実店舗「カラーズ」やオンライン店で販売している。
2018年にマレーシアのクアラルンプールに初の海外店を開業し、好調なため多店舗展開を進めてきた。現在はマレーシアの日系百貨店やカンボジアの現地資本の大型商業施設などに出店し、海外で計7店を運営している。
今回調達した資金で既存店の売り場を拡大し、新規出店も進める。出店先はタイやベトナムなどを検討している。Shoichiの山本昌一社長は「日本のアパレルは品質が高いことに加えて東南アジアでは珍しいデザインで、現地の若者に人気がある」と話す。
日本のアパレル業界では商品の季節ごとの入れ替わりが以前よりも早くなっているとされ、過剰在庫や廃棄品が課題となっている。
これを受けてShoichiが買い取る在庫の量も増えており、18年は前年の約2倍の1000万点を買い取った。
Shoichiは国内のアパレル企業から仕入れた在庫品を販売する際にロゴが書かれたタグを切り取って販売するなど、ブランド価値を損ないにくくするサービスも手がけている。これらの工夫が事業拡大につながっている。
日本国内の衣料品市場は少子高齢化などで縮小傾向にあるが、東南アジアでは若年層の増加に伴って拡大の余地が大きいとされる。
在庫処分品を引き取って販売するビジネスは環境保護の観点でも意義がある。同社のようなサービスを手掛けるスタートアップは今後さらに増えそうだ。
(新田栄作)
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