PassCode、異彩を放つロックなアイドル

文化往来
2019/10/22 2:00
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ロックバンドと競演する「対バン」のステージを数多く経験し、パフォーマンスの質を上げてきた 撮影=Shingo Tamai

ロックバンドと競演する「対バン」のステージを数多く経験し、パフォーマンスの質を上げてきた 撮影=Shingo Tamai

ヘビーメタルのBABYMETALが活躍するなど、ロックを歌って踊る女性アイドルが勢力を広げている。あどけない少女が激しく叫ぶという意外性で当初は話題を集めてきたが、同種のグループが増えるにつれて多様化が進んできた。

一つの手法がアーティスト以上に音楽をとことん独自化して洗練させることで、2016年にメジャーデビューした4人組のPassCodeはそんなアイドルだ。勢いのあるバンドサウンドを基調にしたラウドロックとEDM(電子ダンス音楽)を融合したデジタルハードコアで人気を広げ、第2作のアルバム「CLARITY」が19年にヒット。9日、東京・マイナビBLITZ赤坂で開かれた全国ツアーの初日公演は、彼女たちの勢いを感じさせた。

アイドルシーンを見渡しても、PassCodeは音楽面で異彩を放っている。そう実感したステージだった。音楽プロデューサーの平地孝次が手がける楽曲は一筋縄ではいかない。Aメロ→Bメロ→サビの一般的な構成を意図的に崩している。メロとサビの間に曲調やリズムが異なるパートをふんだんに差し込み、有機的につなげてサビをさらにはじけさせている。ボーカルも生歌やエフェクトをかけたテクノボイス、メンバーの今田夢菜のシャウト(叫び)と多彩で、それを緻密に配置し音楽を作り込んでいる。

「こんなもんじゃねーだろ!」。客席を盛んにあおって熱気を増大させた 撮影=Shingo Tamai

「こんなもんじゃねーだろ!」。客席を盛んにあおって熱気を増大させた 撮影=Shingo Tamai

計算された楽曲には一方で冷たさを感じるものだが、それを感じさせない。メンバーたちはパフォーマンスの伸びしろがまだまだあるのを自覚し、この日も限界を破ろうと力を振り絞っていた。成長への思いやあがきが音楽に熱を与えている。他のアイドルも真っすぐな情熱を持つが、水準を軽々と超えて熱かった。制作側が楽曲で斬新に仕掛けられるのも、この熱量を信じているからだろう。絶妙のタッグで、もっと上を目指せそうな雰囲気があった。

(諸岡良宣)

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