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チュニジア大統領に学者のサイード氏 既存政治家に不信感

【カイロ=飛田雅則】チュニジア大統領選の決選投票で法学者のカイス・サイード氏(61)が初当選した。汚職や失業の問題を解決できない既存政党への不信感を背景に、無所属の同氏が支持を集めた。チュニジアは中東を舞台とした2011年の民主化運動「アラブの春」の「唯一の成功例」といわれる。改革を通じて民主化を着実に進められるかが問われる。

同国選挙管理委員会によると、サイード氏の得票率は72%。同氏は13日夜、支持者を前に「指導者と国民の間の信頼やルールの尊重を基礎に国を築く」と宣言した。SNS(交流サイト)や市民との直接対話など、お金をかけない選挙戦を展開して汚職防止を訴え、若者らの支持を集めた。

大統領選は7月のカイドセブシ大統領の死去に伴い実施された。9月の第1回投票で既存政党が推す候補がすべて落選し、13日の決選投票にはサイード氏と実業家ナビル・カルウィ氏(56)が進んだ。若年失業率は30%超、政権内では汚職や縁故主義が横行しており、既存エリートへの不満が高まっている。

カイロ・アメリカン大学のタレク・ファハミ教授は「政治の信頼回復には、内閣と協力して経済再建を優先すべきだ」と指摘する。サイード氏は遺産相続を男女平等に変える法律改正に反対をとなえ、死刑制度の復活を主張するなど保守的な思想を持っており、リベラル派とのあつれきを懸念する声もある。

チュニジアでは11年、長期独裁のベンアリ政権が民主化運動により崩壊した。これを機に中東各地に民主化のうねりが広がり、強権的な政権が相次いで倒れた。チュニジアでは民主的なプロセスで国家構築が進む一方、エジプトでは軍出身の大統領による強権政治が復活、リビアやイエメンは内戦が収まっていない。

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