英女王「10月末離脱」 実現には閣外与党が壁
17日からEUサミット

英EU離脱
2019/10/15 18:44
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【ロンドン=中島裕介】17~18日のEU首脳会議を控え、英国の欧州連合(EU)からの新たな離脱条件に関する英・EUのギリギリの調整が続いている。英国のエリザベス女王は14日、ジョンソン政権の施政方針を読み上げる演説で「優先課題は10月31日のEU離脱の実現だ」と語った。英・EUの合意には、英国の閣外与党の意向が壁になり予断を許さない。

英国では政権の施政方針を女王が読み上げるのが慣習になっている(AP)

英・EUは11日以降、懸案のアイルランド島の国境問題の解決を目指して集中協議に入っている。英政府は2日に提出した新提案で、農産品や工業製品などの基準を英領北アイルランドに限りEUルールに合わせ、EUの関税同盟からは英全土が抜ける方針を示した。だがこの案では物理的な検問が必要になる可能性が高く、北アイルランドとEU加盟国アイルランド間の紛争再発を懸念するEU側は難色を示す。

複数の英メディアによるとその後、ジョンソン氏は北アイルランドだけに適用される関税ルールを検討。北アイルランド経由でEUに入る品物に関して英本土で手続きをするといった修正案をEUに打診したもようだ。

ただ政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)が壁になっている。DUPは連合王国としての英国の一体性の維持が党是で、北アイルランドと英本土が別扱いとなる案には抵抗感が強い。DUPのドッズ副党首は欧州メディアに「北アイルランドは完全に英国の関税同盟にとどまる必要がある」と述べ、修正案をけん制した。

英議会下院は与党で過半数を割っており、仮に英・EUが新離脱案で合意しても野党議員の造反がなければ議会の承認は得られない。DUPは定数650のうち10議席の小党だが、反対に回れば新離脱案の可決の可能性が下がり、野党議員も造反しにくくなる。このためジョンソン氏もDUPの動向は無視できない。

19日までに英議会で新離脱案を承認できなければ、離脱延期法の規定でジョンソン氏はEUに離脱延期の申請を義務付けられる。ジョンソン政権は「EUとの合意がなくても10月末に離脱する」と訴えるが、延期法を無視して強硬離脱はできないとの見方が支配的だ。

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