米軍、シリア北部から全面撤収へ トランプ氏が指示

トランプ政権
中東・アフリカ
2019/10/15 9:00
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【ワシントン=中村亮】エスパー米国防長官は14日、トランプ大統領がシリア北部から米軍を撤収させるよう指示したと発表した。トルコによるシリア侵攻で、駐留米軍に被害が及ぶリスクが「許容できない水準に達した」と理由を説明した。北部撤収はトルコがシリア侵攻を進めやすい環境をつくることになり、シリア情勢が一段と緊迫する恐れがある。

エスパー米国防長官=ロイター

エスパー氏は14日の声明で、トルコによる侵攻でシリア情勢が混乱し、有志連合の過激派組織「イスラム国」(IS)に対する軍事作戦にも悪影響が及ぶと懸念を表明した。来週にブリュッセルで開く北大西洋条約機構(NATO)国防相会合で、トルコに対する外交や経済面での対抗措置を加盟国に求めていくと強調した。

エスパー氏は13日の米メディアのインタビューで、トルコ軍が当初の想定を超える地域でも軍事作戦を計画していると指摘した。トランプ政権は、トルコによるシリア攻撃の開始前にトルコ国境付近の2拠点から米兵50人をシリアの別の地域に退避させた。ただトルコの軍事作戦が広範囲に及ぶため、シリア北部に駐留する部隊全体に退避を命じることになった。

トランプ大統領は14日の声明で、シリア北部から撤収する米兵は中東地域に残って、IS復活を許さないよう監視を続けると説明した。シリア南部では米軍がこれまでと同じように駐留を続ける。

米軍の北部撤収の方針を受けて、親米のシリアのクルド人勢力は13日、アサド政権軍と協力することで合意したと発表した。シリア国営通信によると、政権軍は北部のトルコ国境沿いへ進軍した。クルド人勢力は米軍を後ろ盾にトルコによる攻撃を回避してきたが、トランプ氏が攻撃を事実上容認する方針に転じ、対トルコでの新たな協力相手を探していた。

ロイター通信によると、クルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」とアサド政権軍の協議はシリア北西部ラタキアのロシア軍基地で行われた。ロシアはアサド政権の後ろ盾で、トルコ、SDF、政権側3者の仲介役を買って出る可能性がある。

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