台湾APEC代表にTSMC創業者 トランプ氏との面会に意欲

2019/10/14 15:10
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【台北=伊原健作】台湾の蔡英文総統は14日、11月に南米チリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の代表に、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(モリス・チャン)氏(88)を起用すると発表した。張氏は半導体の産業構造を一変させた世界的経営者。中国の外交圧力が強まるなか、国際社会での存在感向上を狙う。張氏はトランプ米大統領との面会にも意欲を示した。

11月のAPEC首脳会議で台湾の代表に決まったTSMC創業者、モリス・チャン氏(14日、台北市)

張氏は受託生産に特化するモデルを築き、半導体業界の設計・生産の分業を主導。TSMCを米インテルなどと並ぶ世界企業に育て、18年6月に董事長を退いた。蔡総統は14日の記者会見で張氏は「産業界で多くの経験があり、デジタル時代の世界経済についてモデルを提案できるだろう」と期待を示した。

APEC首脳会議の代表を務めるのは18年に続き2年連続となる。前回はトランプ氏の代わりに参加したペンス米副大統領と会談し、米台間の自由貿易協定(FTA)構想について意見を交わしたとされる。張氏は14日に記者団の取材に応じ、トランプ氏が今回出席するか分からないとしつつも、「以前(ニューヨークの)私がトランプタワーに住んでいたことについて話したい」などと積極的に接触する意向を示した。

一方で中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会った際に何を話すかについては「まだ何も計画はない」と述べた。張氏が築いたTSMCは米アップルや中国通信機器大手華為技術(ファーウェイ)など米中の半導体産業を生産面から支える。蔡氏は張氏を派遣することで米中双方と意思疎通したい意向とみられる。

台湾は1991年に「中華台北」の名義で中国と同時にAPECに加盟。正式に参加できる数少ない国際舞台として重視している。中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国原則」を認めない蔡政権が16年に発足して以降は、7カ国との外交関係を中国に奪われ、国際社会での孤立を避けるため存在感をアピールする重要性が増している。

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