チュニジア大統領選 憲法学者サイード氏勝利へ、出口調査

2019/10/14 7:57
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チュニジア大統領選で勝利する見通しとなった憲法学者カイス・サイード氏(13日)=AP

チュニジア大統領選で勝利する見通しとなった憲法学者カイス・サイード氏(13日)=AP

【カイロ=飛田雅則】北アフリカのチュニジアで13日、大統領選の決選投票が実施された。9月の第1回投票で首位だった憲法学者カイス・サイード氏(61)と、2位だった実業家のナビル・カルウィ氏(56)の一騎打ち。現地の出口調査によると、サイード氏の得票率は70%超と優位となり、初当選する見通しとなった。

チュニジアの大統領選は2011年の民主化運動「アラブの春」で独裁政権の崩壊後、2回目となる。即日開票され、結果は15日までに発表される見通し。国家元首の大統領の任期は5年。大統領は外交と国防を担当し、首相は経済など担う権限の分担が続いている。

出口調査で優勢と伝えられるとサイード氏は13日夜、「新しいチュニジアをつくろう」と勝利宣言した。長年、大学で憲法を講じてきた同氏は遺産相続を男女平等に変える法改正に反対するなど保守的な思想を持つ。汚職の防止や地方への権限移譲を明言してきた。当初は既存政党からの推薦を受けず出馬したが、決選投票前に議会第1党のイスラム政党アンナハダが同氏の支持を表明している。

一方、テレビ局を所有するメディア王と称されるカルウィ氏は、貧困者の支援や過激派対策を主張した。同氏は8月に脱税などの容疑で拘束されたが、今月9日に釈放された。選挙戦では不在が続いたことが逆風となったようだ。

チュニジアで2011年に経済に不満を持つ民衆の蜂起により長期独裁のベンアリ政権が崩壊し、近隣のエジプトやリビアなどに波及した「アラブの春」のきっかけとなった。その後、内戦の長期化や強権政治に舞い戻るアラブ諸国に対して、チュニジアは唯一、民主的なプロセスを経て政権移行を実現したことから「民主化のモデル」と評価されている。

だが、政権打倒につながるデモの原因となった若者の失業問題などは解決していない。9月の第1回の大統領選でシャヘド首相ら主要政党が支持する候補者は軒並み落選。今月6日の議会選でも52議席を獲得したアンナハダが第1党を維持したが、改選前に比べて大きく勢力を落とした。経済問題に対処できない既存政党に対する国民の政治不信が浮き彫りとなった。

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