ポーランド下院選、右派ポピュリズムの与党が圧勝

2019/10/14 6:15
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【グダニスク(ポーランド北部)=石川潤】ポーランドで13日実施された下院選挙で、右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党の与党「法と正義」が勝利した。同党の得票率は2015年の前回(37.6%)を上回る43.6%と、議席数で単独過半数を確保した。30年前の民主化の恩恵を十分に得ていない農村部の不満を吸い上げて勝利につなげた。

ポーランド下院選で勝利した与党、法と正義のカチンスキ党首(中)=AP

「我々は勝利した。ポーランドは変化を続けていく」。法と正義の党首で、モラウィエツキ首相をしのぐ最高実力者とされるカチンスキ氏は13日夜、支持者の前で勝利宣言した。親欧州連合(EU)で穏健派の野党、市民プラットフォームなどの市民連合は27.4%の得票にとどまった。

法と正義は15年の政権獲得以降、年金の支給開始年齢の引き下げや児童手当の増額などを進めた。今回の選挙でも、カトリックの伝統に基づく公正な社会の実現を掲げ、1989年の民主化の恩恵が一部エリートに偏っているとの不満を抱く有権者を取り込んだ。同性愛者の権利拡大はポーランド文化への致命的な脅威だとも訴えた。

法と正義には、メディアへの圧力と司法への介入を強めているとの批判がつきまとう。特に現政権が進める司法制度改革は、EUが「法の支配を揺るがしかねない」と強く是正を求めてきた。

法と正義の政権が継続することで、EUとの対立が今後も繰り返される可能性がある。法と正義が反対する難民の分担や温暖化ガスの大胆な削減といった政策の実現に影を落とす可能性もある。

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