東京芸術祭にコンペ登場 演出家の宮城聡が発案

文化往来
2019/10/15 14:00
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2016年に始まった「東京芸術祭」で、今年からコンペ部門が加わる。女優のジュリエット・ビノシュを審査員長、夏木マリを副審査員長に迎え、アジア、オセアニア、アフリカを含む世界5地域のアーティストや批評家が審査員となる。10月29日から6日間、参加6作品が東京芸術劇場で集中上演され、公開審査される。

審査員長のジュリエット・ビノシュ(Angelo Cricch撮影)

審査員長のジュリエット・ビノシュ(Angelo Cricch撮影)

企画を発案したのは芸術祭総合ディレクターで、演出家の宮城聡。自ら率いる劇団SPAC(静岡県舞台芸術センター)で海外公演を重ねてきたが、舞台芸術の評価の尺度が欧米偏重であることから、尺度そのものを新たに生みだそうと思い至った。日本では演出家コンクールの例はあるが、作品評価を問う催しは例がなく、注目されよう。

審査員長は当初、フランスの元文科相ジャック・ラングが就任予定だったが、来日困難となり、候補者のひとりだったビノシュが代役を快諾した。映画祭でコンペを経験するビノシュは、審査員は同じ回の公演をみて、徹底討論すべきだとの考えを示し、最大限の協力を申し出たという。アーティスト審査員にはドイツのオスターマイアー、韓国のヤン・ジョンウンら著名演出家が入る。

日本から参加するdracomの「ソコナイ図」(TAKE nob撮影)

日本から参加するdracomの「ソコナイ図」(TAKE nob撮影)

参加作品は、韓国の光州アジア劇場の元芸術監督、仏アヴィニョン演劇祭のプログラムディレクターら世界各地6人のプロデューサーが推薦した。2030年代に活躍すると見こまれる作品が中国、オーストラリア、スペイン、ブルキナファソ、チリ、日本から参加する。コンペは2年に1回開催、最優秀作品賞受賞作は受賞翌年に東京芸術祭で記念上演される予定だ。

9月21日に始まった芸術祭では、NODA・MAPの「Q」(野田秀樹作・演出)がすでに開幕、オスターマイアー演出「暴力の歴史」、ノゾエ征爾演出の野外劇「吾輩は猫である」などがこれから東京の池袋地域で連続上演される。

(内田洋一)

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