台風19号上陸 「計画」実行で首都機能停止

2019/10/12 20:30 (2019/10/12 22:57更新)
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台風で臨時休業を伝える商業施設の張り紙(12日、東京都新宿区)

台風で臨時休業を伝える商業施設の張り紙(12日、東京都新宿区)

大型の台風19号が強い勢力を保って伊豆半島に上陸した12日、首都・東京の都市機能は停止状態となった。事前に予告した「計画運休」によって鉄道網は順次ストップし、小売店の臨時休業や工場の稼働停止が相次いだ。多摩川や荒川の水位も急激に上昇し、首都圏初の大雨特別警報が出るなか、街からは人の姿が消えた。

東京都と神奈川県の境を流れる多摩川では12日午後3時40分、調布市の観測所で氾濫危険水位を超えた。埼玉県から都内へ流れる荒川でも一部の地点で氾濫危険水位を超えた。国土交通省関東地方整備局は緊急の記者会見を開いて「危険な状態が迫っている」「身を守る行動を取ってほしい」と呼びかけた。

大田区の多摩川近くで飲食店を経営する男性(58)は「営業を続けるつもりだったが、川があふれそうだと聞いて閉めた。避難すべきだと思うが風も強いので悩んでいる」と不安そうに話した。

気象庁は12日午後3時30分、東京都内で初めての大雨特別警報を青梅市など9市町村に出した。夜に入って対象は拡大し、午後9時すぎ以降、板橋区や練馬区などにも特別警報が発令された。

東京電力ホールディングスは9月の台風15号で停電の被害状況の把握が遅れたことから、7倍強となる1万7300人の体制を敷いた。台風の接近、通過とともに神奈川県や千葉県などで停電が広がり、対応を急いだ。

KDDIは千葉県などの一部地域で携帯電話がつながりにくくなっていると発表した。NTTドコモでも静岡県の一部で通信障害が発生した。

JR東日本はこの日朝から計画に沿って首都圏の在来線の運転を止めていった。湘南新宿ラインなどは始発から運転を取りやめ、東海道線は午前10時ごろから、山手線は午後1時ごろから運行本数を減らし始めた。午後4時ごろには全ての列車の運転を終えた。

午後2時すぎ、東京駅では数人の駅員以外にほとんど人影がなくなり、近隣のホテルに泊まるスイス人の男性(47)は「コンビニを探していたがどこも開いていない」と困惑していた。

イトーヨーカ堂は12日、関東や東海の124店舗を臨時休業とした。イオンリテールは関東や東北、東海の128店で閉店時間を正午~午後5時に早めた。セブンイレブンの休業は過去最大規模となり、当初の計画を上回る1千店以上に及んだもようだ。

臨時休業したセブンイレブンの店舗(12日、東京都江東区)

臨時休業したセブンイレブンの店舗(12日、東京都江東区)

午後3時ごろ、普段の週末は歩行者天国でにぎわう銀座に人けはなく、三越銀座店や松屋銀座店には臨時休業を知らせる紙が張り出されていた。

JFEスチールは12日、東日本製鉄所の千葉地区(千葉市)と京浜地区(川崎市)について主要生産設備の一部を停止した。化学メーカーのADEKAも13日にかけて化粧品原料などを生産する千葉工場(千葉県袖ケ浦市)の稼働を停止する。

コンサートやミュージカルなど少なくとも約200のイベントが中止・延期となり、チケット販売のぴあはホームページで情報を告知し、購入者にメールで払戻期間や方法を案内した。

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