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米、15日の対中関税上げ延期 農産品や為替で部分合意

(更新)

【ワシントン=鳳山太成、北京=原田逸策】米中両政府は11日、貿易問題で閣僚級協議を開き、農産品や為替など特定分野で部分的に暫定合意した。中国が米農産品の輸入を増やすほか、通貨政策で透明性を高める。これを受け、トランプ米政権は15日に予定していた中国製品への制裁関税の引き上げを先送りすると表明した。貿易戦争が一段と激しくなる事態はひとまず回避された。

トランプ大統領は11日、ホワイトハウスで開いた中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相との会談で「とても重大な『第1段階』の合意に達した」と述べた。最大5週間かけて詳細を詰め、文書に落とす作業を進める。

一方、中国国営新華社は12日「双方は率直で効率がよく、建設的な議論をした。農業、知的財産の保護、為替、金融サービス、貿易協力の拡大、技術移転、紛争解決などの分野で実質的な進展があった」との声明を発表した。トランプ氏が強調した「部分合意」という文言は使っていない。

トランプ氏らの説明によると、「第1段階」と称して暫定合意したのは農産品と為替、知的財産権などの特定分野。中国が400億ドル(約4兆3千億円)から500億ドルの米農産品を購入するという。中国の対米農産品輸入の過去最高額は年約260億ドルだった。

金融面では、中国が通貨政策で透明性を確保する。米政権が意図的に人民元安に誘導しているとして8月に指定した「為替操作国」の扱いは今後検討する。中国が米金融機関に市場を開放していく方針も盛り込んだ。

詳細は不明だが、中国が米企業の知財保護を強めることも部分合意に含める構えだ。技術移転の強要を抑える施策も一部取り入れるという。

トランプ氏は11月中旬にチリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、習近平(シー・ジンピン)国家主席と正式に署名することに意欲を表した。これから文言を調整する過程で意見が食い違う可能性はあるが、トランプ氏は「問題は起きないだろう」と強調した。

景気減速の懸念が広がるなかで米中は対立激化を避けたが、先行きはなお不透明だ。今回は歩み寄りやすい分野に絞り、過剰な産業補助金や国有企業の優遇など難題を先送りした。トランプ氏は「第1段階を終えた後、第2段階をすぐ始める」とし、構造問題に引き続き取り組む構えを示した。中国が求める通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置の一部緩和についても妥協点を探るとみられる。

米政権は12月15日、ほぼすべての中国製品に制裁関税を広げる「第4弾」のうち、スマートフォンやノートパソコンなど計1600億ドル分に15%の関税を上乗せする。この予定は先送りせず、今後検討する形にとどめた。米国がすでに発動した3600億ドル分の制裁関税や、中国が課した報復関税の扱いも未定だ。

米中は2018年夏からの貿易戦争が長期化するなか、2カ月半ぶりにワシントンで閣僚級協議を開いた。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表とムニューシン米財務長官が10日から劉氏と交渉した。米政権は15日に2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税を現在の25%から30%に引き上げる予定だった。世界景気の新たな重荷となる制裁関税の拡大に歯止めをかけられるかどうかが焦点だった。

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