FRBが資産購入再開、金利安定へ短期債月600億ドル

2019/10/12 1:10
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パウエルFRB議長=AP

パウエルFRB議長=AP

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は11日、短期金融市場の資金不足を解消するため、短期国債を月600億ドル(約6兆5千億円)のペースで購入すると発表した。15日に始め、少なくとも2020年4~6月期までは続ける。米市場は資金需給が逼迫して短期金利が急上昇するなど不安定な状況が続いていた。量的緩和を縮小した副作用とみられ、バランスシートの再拡大に踏み切る。

FRBのパウエル議長は8日の講演で、資産購入の再拡大を表明していた。FRBは金融危機時に量的緩和に踏み切ったが、景気の回復に伴って、17年以降は保有資産量を減らす「量的引き締め」に転じていた。政策金利を2%弱に引き下げたものの、9月以降は民間銀行の余剰資金が減って、銀行間金利が一時10%に跳ね上がるなど不安定な状況が続いていた。

FRBは短期国債を買い入れて市場に潤沢に資金を供給し、金利の乱高下を防ぐ。開始当初の購入ペースは月600億ドル程度とし、民間銀行が余剰資金を預ける準備預金の量が減らないようにする。金融調節を担うニューヨーク連銀も11日、9月から続けている短期金融市場への臨時の資金供給を、少なくとも20年1月まで維持すると発表した。

FRBは金融危機後の量的緩和で、保有資産量が4兆5000億ドルまで膨れあがった。その後の資産縮小でバランスシートは3兆9000億ドル規模まで減ったが、再び資産拡大に踏み切る。短期国債の購入は短くても半年は続く見込みで、資産量は再び4兆ドルを超えそうだ。FRBが債券を購入すれば市場に出回る資金量が増えるため、金利には下落圧力がかかる。

ただ、FRBは11日の声明文で「今回の操作は適切な銀行システムを維持する純粋に技術的な施策だ」と強調し、量的緩和の再開といった見方を強く否定した。購入資産の対象も、量的緩和時に主に買い入れた長期国債や住宅ローン担保証券(MBS)ではなく、償還期間の短い短期国債に絞った。

FRBは29~30日に次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。同会合で資産購入の再拡大を決定する見込みだったが、短期市場を早期に安定させるため、11日に具体策を決定した。次回のFOMCでは3会合連続の利下げに踏み切るかどうかが焦点となる。

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