中国GDP2.0%下押し IMF試算、貿易戦争悪化なら

貿易摩擦
2019/10/11 23:00
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【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)は11日、米中の貿易戦争が悪化すれば、2020年時点で中国の国内総生産(GDP)を2.0%下押しするとの試算をまとめた。米GDPも0.6%失われ、世界経済全体でも0.8%下振れするとした。世界的な貿易縮小だけでなく、企業投資の減退や金融市場の混乱を引き起こすと警鐘を鳴らした。

日米欧や中国など20カ国・地域(G20)は17日から2日間の日程で財務相・中央銀行総裁会議を開く。IMFは同会議を前に政策課題をまとめた報告書を公表し、米中の関税合戦によるマクロ経済への影響を試算した。

トランプ米政権は19年12月に、制裁関税の対象を中国からの輸入品ほぼ全てに広げると主張している。18年7月以降の関税引き上げの影響を合算すると、中国のGDPは20年時点で2.0%下押しされ、23年時点でも0.7%分の下振れ圧力が残るとした。IMFは20年の中国の実質成長率を6.1%と見込んでいたが、関税合戦が止まらなければ大幅な下方修正は避けられない。

米経済も対中関税を予定通りすべて発動すれば、20年のGDPが0.6%下押しされると試算した。中国からの報復関税で貿易全体が縮小し、企業投資の減退で内需も下振れするリスクがある。IMFは米GDPの20年の伸びを潜在成長率並みの1.9%と見込んでいたが、さらに下振れしそうだ。

IMFは世界経済見通し(WEO)を近く改定する。世界の実質成長率は19年が3.3%、20年を3.6%と見込んでいたが、それぞれ下方修正する。世界景気は成長率が3%を下回ると危険水域とされるが、関税合戦がさらに激化すれば不況感がいよいよ強まりかねない。

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