FRB、金融規制を緩和 三菱UFJなど邦銀も恩恵

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2019/10/11 6:01
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パウエル議長は金融規制の軽減を決めた=ロイター

パウエル議長は金融規制の軽減を決めた=ロイター

【ニューヨーク=後藤達也】米連邦準備理事会(FRB)は10日、銀行への金融規制の一部を緩めることを決めた。規模の小さい銀行は自己資本などの制約が軽減され、従来よりも銀行経営の自由度が増す。外国銀行も対象で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など米国に進出する邦銀も恩恵を受ける見通しだ。

2018年5月に「ドッド・フランク法(金融規制改革法)」の規制を緩める方向で修正する新法が成立した。これを受け、FRBは規制の簡素化に向け、作業を進めてきた。今回の決定で金融危機後の米金融規制の対応は一区切りついたかたちとなる。

新しい規制では資産規模に応じて4つのグループに分けられる。JPモルガン・チェースなど最上位の「カテゴリー1」は従来の規制と変わらないが、規模が小さくなるほど負担が軽くなる仕組みだ。たとえば総資産が2500億~7000億ドルの銀行は「カテゴリー3」で、自己資本や資産の健全性の面で規制が従来より弱くなる。

米国で営業する外銀に対してもほぼ同じ仕組みだ。MUFGは米国の中間持ち株会社ベースでは「カテゴリー4」(総資産が1000億~2500億ドル)に分類された。手元に安全性の高い資産を十分に持っておくことが求められる「流動性規制」などが米大手銀より大幅に軽減される。

10日の米株式市場では規制緩和を好感し、中堅規模の銀行株の上昇が目立った。「カテゴリー4」に分類されたサントラスト・バンクスやリージョンズ・フィナンシャルの株価が1~2%上昇した。

ドッド・フランク法は金融危機の再発を防ぐため、オバマ政権下の10年に成立した。ただ規制が複雑で金融界からの不満も強かった。金融規制の緩和を主張するトランプ米大統領が就任してから、見直しが一気に進んだ。

新たな規制について、FRBで金融システムを担当するクオールズ副議長は「潜在的なリスクに対する規制上の要件を満たす修正だ」と指摘した。一方、オバマ政権時からFRB理事を務めるブレイナード氏は「将来の金融の安定性が損なわれるリスクを高めてしまう」と反論した。20年の米大統領選に向けては民主党のエリザベス・ウォーレン氏らは規制強化を訴えており、将来的には再び議論される可能性もある。

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