次期EU、発足後ずれも 欧州議会が閣僚候補承認せず

2019/10/11 7:10
保存
共有
印刷
その他

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会の新体制が予定された11月に始動できない可能性が出てきた。欧州議会は10日までに閣僚にあたる欧州委員候補26人に意見聴取した結果、フランス出身の候補など3人を承認しないと決めた。EUの防衛協力を推進しようとしていたマクロン仏大統領にとって打撃になる。

欧州議会は仏出身のグラール氏の欧州委員就任を承認しないと決めた(10日、ブリュッセル)=ロイター

欧州議会は23日の全体会合で次期委員会の人事を一括採択する予定だ。1人でも同意を得られていない候補がいると、承認は難しいとみられる。フォンデアライエン次期委員長は声明で「欧州は英離脱や貿易、紛争に対処しなければならない」と訴えたが、政策実行に遅れが出る懸念がある。

欧州議会の委員会は9月末、EU拡大などを担当する予定だったハンガリーのトロチャニー候補と、運輸担当の予定だったルーマニアのプルンブ候補を委員として認めないと判断。財務報告などを調査した結果、担当ポストとの利益相反の疑いがあるとの理由だった。

10月10日に承認を拒否したのが仏出身のグラール候補だ。同氏が欧州議員だった時期のスタッフへの給与支払いを巡り、当局の捜査を受けていた件などを問題視した。同氏はマクロン氏の後押しを得て、域内市場担当として防衛協力などを推し進めるはずだった。

マクロン氏は「政治のゲームに巻き込まれた」と議会の一部会派の対応を批判した。マクロン氏が欧州議会の意向を軽視して次期委員長にフォンデアライエン氏をあてる人事を主導した経緯から、議会では中道右派会派を中心にマクロン氏への反発が強い。今回はその意趣返しともいえる。

フォンデアライエン氏は人事案の練り直しを迫られるが、委員候補は各国政府が推薦するため、時間がかかる可能性がある。ルーマニアでは10日、内閣不信任案が可決され、ダンチラ首相の退任が決まった。欧州メディアでは、10月中に代替候補の議会承認が得られない場合、ユンケル委員長率いる現委員会の任期を小幅延長する案などが浮上している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]