米大統領と中国副首相が12日会談 貿易問題協議

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2019/10/11 5:13 (2019/10/11 12:00更新)
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【ワシントン=河浪武史】米中両国は10日、ワシントンで2カ月半ぶりの閣僚級協議を開始した。米政権は15日に2500億ドル分の中国製品の関税率を25%から30%に上げると主張するが、中国は大豆などの輸入拡大を提案して関税上げの回避を求める。トランプ米大統領は10日、ホワイトハウスで記者団に対し、同日の協議について「非常にうまくいった。とてもよい交渉だった」と語った。

10日、ワシントンのUSTR入り口で劉氏(左)を出迎えたライトハイザー氏(中)とムニューシン氏=ロイター

10日、ワシントンのUSTR入り口で劉氏(左)を出迎えたライトハイザー氏(中)とムニューシン氏=ロイター

劉鶴(リュウ・ハァ)副首相がワシントン入りし、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表らと10日から交渉を始めた。閣僚級協議は7月末に上海で開いて以来、2カ月半ぶりだ。トランプ氏は10日午前、中国の劉鶴副首相と11日に会談すると表明して「対中交渉で大きな日だ。中国は取引をしたがっているが、自分はどうだろうか?」とツイッターに書き込んだ。ホワイトハウスは10日夜、両氏が11日午後2時45分(日本時間12日午前3時45分)から会談すると発表した。

中国側は9日までの次官級協議で、大豆など農産物の輸入拡大を米国に打診した。両国の関税合戦で、米農畜産品の対中輸出は18年に前年比53%も減少。穀物産地の米中西部はトランプ氏の支持基盤の一つで、同大統領も農畜産業の立て直しを優先している。中国は輸入大豆の価格高騰で国内の食品価格が上昇しており、米国産の調達を増やして生活不安を和らげる狙いがある。

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足元の人民元安を巡っても協議した。中国の景気減速で人民元売りが加速。米政権側には、中国が関税の影響を和らげて輸出産業を支援するため人民元安を容認しているとの疑念がある。トランプ政権は中国を25年ぶりに「為替操作国」に認定して、国際通貨基金(IMF)などを巻き込んで人民元安の阻止を求める。中国側は為替介入の透明性を高める改革案などを提示したもようだ。

トランプ米政権は15日から、中国からの輸入の半分近い2500億ドル(約27兆円)分の同国製品に対し、制裁関税の比率を現在の25%から30%に引き上げると警告している。中国側もすぐさま報復措置に打って出るとみられ、今回の閣僚級協議が決裂すれば、貿易戦争の一段の悪化は避けられない。

中国側が求めるのは、農産物と通貨分野に限った「部分合意」で米政権の関税引き上げを回避することだ。中国共産党で外交政策を担う関係者は「中国の発展を妨げる本格協定は結べない」と主張。米国が見直しを求める産業補助金や技術移転などの構造問題は、5月に閣僚級協議が決裂して以降、妥協策の提示を拒んでいる。

米政権は7日、新疆ウイグル自治区の人権問題を理由に、監視カメラや顔認証など中国のハイテク企業に禁輸措置を発動すると発表した。中国側は「内政干渉」と強く反発し、歩み寄りの機運は高まらない。対中強硬派のペンス副大統領も9日、記者団に「中国は米国の利益を損ねる構造問題に対し、真に対処するよう強く求めている」と主張し、部分合意に否定的な考えを示した。

米中両国は11月にチリで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、再びトランプ氏と習近平(シー・ジンピン)国家主席の会談を模索する。米政権は12月には、スマートフォンやノートパソコンなど、対中依存度が高いハイテク製品にも制裁関税を課すとしており、世界の供給網をさらに大きく揺さぶるリスクがある。

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