日産欧州会長、合意なき離脱なら「事業モデル危うく」

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自動車・機械
ヨーロッパ
2019/10/11 3:36
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日産サンダーランド工場は英自動車生産の3割を占める(10日)

日産サンダーランド工場は英自動車生産の3割を占める(10日)

【サンダーランド(英北部)=篠崎健太】日産自動車の欧州部門会長を務めるジャンルカ・デフィッシ専務執行役員は10日、英国が欧州連合(EU)から合意のない離脱になれば「欧州でのビジネスモデル全体が危うくなる」と述べた。英工場からEUへの完成車輸出に関税が生じ、競争力の低下やコスト増につながると訴えた。10月末の期限が迫る離脱の行方に強い危機感を示した。

英北部サンダーランドの工場で小型多目的スポーツ車(SUV)「ジューク」の新モデル生産を14日から始めるのを前に、現地で記者団の取材に応じた。

同工場で生産される新型ジュークは7割がEU向けに輸出される見通し。デフィッシ氏は合意なき離脱なら「世界貿易機関(WTO)のルールに基づく関税(10%)が突然課される」とし、英国に大きな生産拠点を置く欧州のビジネスモデルは「将来、持続可能ではなくなる」と強調した。英・EU間の貿易に関税が生じる事態を避けるよう求めた。

日産の海外主力SUV「キャシュカイ」の生産ライン(10日、英北部サンダーランド)

日産の海外主力SUV「キャシュカイ」の生産ライン(10日、英北部サンダーランド)

日産のサンダーランド工場は英国にある最大の自動車工場で、18年には同国全体の約3割にあたる44万台強を生産した。約6000人が働き、取引先も含めると英国で3万人規模の雇用を支えているとされる。

デフィッシ氏は現在の期限まで残り3週間となったEU離脱に関し「あらゆる可能性に備えている」と語った。部品在庫の積み増しなどを行い、操業上のリスクは「制御可能」だと説明した。

仮に合意なき離脱になった場合の長期的な方針には言及しなかった。品質の高いものづくりの拠点として今後も英国にとどまりたい考えだが、英・EU間で関税が生じるような事態になれば、将来的に規模縮小や撤退といった選択肢が浮上する可能性もゼロではない。日産の欧州事業や英製造業を支える拠点は、EU離脱の先行き不透明な状況に揺さぶられている。

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