欧州の2氏にノーベル文学賞 村上氏は受賞ならず

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2019/10/10 20:08 (2019/10/10 21:57更新)
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ノーベル文学賞を受賞したオルガ・トカルチュクさん(左)とペーター・ハントケさん=AP

ノーベル文学賞を受賞したオルガ・トカルチュクさん(左)とペーター・ハントケさん=AP

スウェーデン・アカデミーは10日、2018年、19年のノーベル文学賞をそれぞれ、ポーランドの作家オルガ・トカルチュク氏(57)、オーストリアの作家・劇作家ペーター・ハントケ氏(76)に授与すると発表した。有力候補とみられていた日本の村上春樹氏は受賞しなかった。

文学賞は18年、アカデミー関係者の不祥事で発表を見合わせたため、今回、2年分を同時に発表した。アカデミーはトカルチュク氏の作品を「百科全書的な情熱を持った想像力豊かな語りで、越境する人生のありようを描いている」と評価。ハントケ氏については「創意あふれる言葉で人間経験の輪郭と特質を探究してきた業績の影響力は大きい」と評した。

トカルチュク氏は1962年生まれ。96年の小説「プラヴィエクとそのほかの時代」はポーランドにある架空の村を舞台に激動の20世紀を神話的に描き、国際的に知られるきっかけとなった。07年の「逃亡派」は英訳され、18年に英国のブッカー国際賞を受賞している。作品の邦訳を手掛けた東洋大学の小椋彩助教は「弱者への愛あるまなざしが特徴で、作品は日常と神秘が隣り合う。フェミニストで環境や移民問題についても積極的に発言してきた」と指摘する。

ハントケ氏は42年生まれ。小説の代表作に母親の自殺を扱った「幸せではないが、もういい」(72年)などがある。ヴィム・ヴェンダース監督の映画「ベルリン・天使の詩」や「まわり道」の脚本も手掛けた。龍谷大学の国重裕准教授は「言葉による表現の限界を問う真摯な姿勢が評価されたのだろう」と話す。

授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金は900万スウェーデンクローナ(約9700万円)。

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