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業績ニュース

ユニクロ、海外で稼ぐ 営業利益、国内を逆転
主要小売業で初

企業決算
2019/10/10 22:18
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にぎわうユニクロのインド1号店(4日、ニューデリー)=石井理恵撮影

にぎわうユニクロのインド1号店(4日、ニューデリー)=石井理恵撮影

カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングが海外で収益を拡大している。2019年8月期の連結決算(国際会計基準)では、ユニクロ事業の海外営業利益が国内部門を上回った。主力事業の海外利益が国内を上回るのは主要小売業では初。輸出産業だけでなく、小売りやサービスなど非製造業でも海外が成長の軸になってきた。

「世界中で受け入れられた」。10日開いた決算説明会で柳井正会長兼社長は海外事業の成果を強調した。19年8月期の純利益は前の期比5%増の1625億円と過去最高益を更新した。

本業のもうけを示す営業利益は9%増の2576億円と拡大。内訳をみると、海外ユニクロが17%増の1389億円となり、暖冬で冬物が苦戦した国内ユニクロ(14%減の1024億円)を上回った。

海外のけん引役は中国大陸を中心としたアジアだ。中国本土や香港、台湾で構成する「グレーターチャイナ」は19年8月期に2桁の増収増益を達成した。SNS(交流サイト)を活用したデジタルマーケティングや日本の人気キャラクターと組んだブランド戦略で若者を中心に支持を獲得した。出店の拡大もあって新たな収益源にまで成長させた。韓国の不買運動の影響を跳ね返した。

ファストリの海外進出の歴史は長い。01年にロンドンに海外の第1号店舗をオープンし、中国には02年に上海で初めて店舗を構えた。その後も欧米やアジアに展開し、19年8月末のユニクロ事業の世界店舗数は2196店舗にまで拡大した。

今月にはインドに進出し、ニューデリーに1号店を開いた。成長市場と位置づける「グレーターチャイナ」では、19年2月末の768店から、21年8月期に1000店超に増やす予定だ。

ファストリの株式市場での評価は高く、株価は7月に上場来高値(7万230円)を付けた。韓国の不買運動や人民元安を懸念し伸び悩むが、昨年末からの株価の上昇率は9%と日経平均株価(8%)を上回る。

市場では「カジュアルな機能性の高い商品で、ファッション性を売りにする他社と差別化できている」(小売業に詳しいフロンティア・マネジメントの山手剛人氏)と評価する声が聞かれる。

ただライバルは先を行く。QUICK・ファクトセットによると、「ZARA(ザラ)」を展開するインディテックス(スペイン)は、売上構成の8割強をスペイン以外が占めるなど、海外展開で先行する。

19年1月期の売上高は3兆3823億円、営業利益は5533億円とファストリを上回る。少量多品種を武器に機動的に生産量や在庫を調整し、営業利益率は16%と、11%のファストリに比べて高い。

電子商取引(EC)事業に目を向けると、インディテックスとファストリのネット販売比率はともに1割強にとどまる。近年はネット販売の新興勢力が台頭するなどデジタル事業の強化は成長に欠かせなくなっている。

ファストリは同日の決算説明会でEC事業について「本業にする」(EC事業担当役員)とした。インドやインドネシアなど対象地域の拡大や、ネットで買って店舗で受け取るような店舗との融合などの強化方針を打ち出した。中長期的には売上高に占めるEC比率を30%まで高める。

■海外売上高比率、小売り・サービス10%迫る

人口減少で国内市場が縮むなか、内需型企業が海外に活路を求める動きは年々強まっている。上場企業では小売業やサービス業の売上高に占める海外の比率は10%に迫ってきた。拡大を続ける「グローバル内需」を取り込み、持続的な成長につなげようとしている。

小売業の海外売上高比率は10%弱と5年で3ポイントほど高まった。

生活雑貨店「無印良品」を手掛ける良品計画は、2019年3~8月期の連結営業利益のうち、3割超が海外事業によるものだ。8月末で無印良品の海外店舗は515店舗になった。

イオンは中国やアジアで商業施設や小売店を運営し、現地の商業モールでの店頭売り上げは2ケタ伸びている。潜在力が大きい郊外での出店を重視し、中間層の消費拡大の恩恵を受けた。

外食産業でも海外展開が進んでいる。サイゼリヤは連結営業利益の45%が海外だ。19年8月末時点で411店舗を展開している。堀埜一成社長は「(アジアでは)イタリアンレストランが浸透してきた」と話す。

サービス業の海外売上高比率は9%台半ばと5年で6ポイント強高まった。リクルートホールディングスは買収で19年3月期の海外売上高比率を約46%と5年前から20ポイント伸ばした。電通は14年から18年までの間に海外で164件の買収を行い、急速にグローバル化を進めた。 経済産業省の海外事業活動基本調査によると17年度末の現地法人数は非製造業が1万4196社と、製造業の1万838社を上回る。東南アジア諸国連合(ASEAN)への進出が増えている。

ただ全体の海外売上高比率を10%弱からさらに引き上げるのは容易ではない。文化や慣習に合わせた現地化が欠かせず、製造業に比べて海外進出のハードルは高い。

「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスは米国進出したが、安さと手軽さが売りのスタイルが受け入れられず、2年で店舗の過半を閉めた。百貨店では高島屋などが中国やアジアに進出するが、購買行動や所得層の違いで苦戦する地域が多い。

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