スピンオフ税制、初の適用 コシダカHD、傘下事業を分離上場 - 日本経済新聞
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スピンオフ税制、初の適用 コシダカHD、傘下事業を分離上場

東京証券取引所第1部に上場するコシダカホールディングス(HD)は10日、子会社を本体と資本関係のない独立した会社にする「スピンオフ」という仕組みを使って事業を分離すると発表した。子会社や事業の分離に税金がかからないようにした「スピンオフ税制」を利用する。2017年度に制度が整備され、適用は初めてとなる。

コシダカHDは「カラオケまねきねこ」のブランドでカラオケ事業を展開する。今回切り出すのはフィットネス事業を展開する子会社のカーブスホールディングス。東証への上場が認められれば、20年3月にカーブスHDの全株式をコシダカHDの既存株主に現物配当の形で割り当てる。コシダカHDと同じ株主のもとで独立した上場企業となり、それぞれ成長を目指す。

従来の税制では事業の切り出しが「売却」と見なされ企業と株主が課税される懸念があった。こうした税制面の障壁を取り除くため17年度から一定の要件を満たせば事業の切り離し時に課税されない「スピンオフ税制」が導入された。

スピンオフは、親会社が株式の多くを保有したまま子会社を上場させる「親子上場」に比べ、分離した会社の独立性が高くなる。外部への売却に比べて機動性も高い。一方、コシダカHDには売却益は計上されず現金も入らない。経営者がメリットを感じにくく、これまで利用がなかった。

海外ではスピンオフによる再編が活発だ。米イーベイが決済のペイパルを切り離した例や、米ヒューレット・パッカードや独バイエルなどが活用している。米化学大手のダウ・デュポンは部門ごとに3社に分割した。

日本企業は多角化が各事業の競争力を阻害していたとの指摘もあり、政府は事業再編を促している。スピンオフ税制適用の初の事例が出たことで実務面でも整備が進み、日本企業の事業再編に弾みがつきそうだ。

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